2020年12月 5日 (土)

一枚の回覧文書

2020年6月8日

町会の回覧が回ってきた

思い起こせば、コロナですっかり生活様式が変わり、ずっと家にこもっていた。その日は珍しく、朝、出かけようとするところで、妻が「回覧にこんなのがあったけど」といって見せてくれた一枚の回覧文書。その時は、これが何で、いったいどこのことを言っているのか正直イマイチわからなかった。とりあえず、その文書のコピーをとっておくように言ってでかけた。

Kairan202005

事業主は、千葉県茂原市のエコファーム。開発コンサルタントとして、TKソリューション株式会社とあった。

帰宅したあとで、じっくり見ると、なんと瀬又の谷津田、しかも、最も上流のニホンアカガエルの楽園ともいうべき場所ではないか!これは大変なことになった。それにしても宅地開発??あそこは市街化調整区域のはずだが....謎だ。それにしても、大変なことになった。なんとか阻止できないものか。そして、そこから私の日常ががらりと変わることになった。

宅地開発ではなく残土埋め立てだった

2020年6月10日

業者に電話して確かめる

「宅地開発事業の為の造成工事のお知らせ」という、まるで、よくある「水道工事のための通行止めのお知らせ」みたいなよくわからない回覧が回って、いずれにせよ、瀬又の谷津田に宅地開発の危機が!!ということで、いてもたってもいられなくなった。まずは、これはいったい何なのだろう?ということで、回覧の紙に唯一連絡先が書いてあった開発コンサルのTKソリューションに電話をして確かめようと思った。

「宅地開発のお知らせって回覧が回ってきたのですが、これはなんですか?」

ときいたところ、

「市からの指導で周辺五町会に説明しなさいと指導されているもので」

という。

「で、ここ、何ができるのですか?」

ときくと、

「いえ、まだ、何も決まってないんですよ。それに、市街化調整区域だから今は何も建てられません」

え??なんだそりゃ??

「とりあえず造成して、将来建てられるようになったら....」

とかいう。

市に確認し残土埋め立て計画の存在を知る

なんだかよくわからないので、市原市に連絡してきいてみることにした。とはいっても、市原市のどこに問い合わせればよいのかわからないので、総合受付に電話して「宅地開発のお知らせ」という回覧がまわってきたので、そのことでお尋ねしたいのだが、というと、都市部宅地課というところにまわしてくれた。

最初はなかなか話がかみ合わなかったが、しばらくして、「それは、私のところの担当ではないのですが....」と。

「業者が宅地と言っていますが、宅地にはならないので、誤解を与えるような説明をしないようにと市から再三指導しているのですがねえ」

という。で、こちらに問い合わせてくださいといって、問い合わせ先を教えてくれた。それは、環境部不法投棄対策残土指導課だった。

「もともとは土砂を埋めたいということで、申請が出されています。詳細については県の方に問い合わせてください。」

ということで、県の環境生活部廃棄物指導課残土再生土対策班、というところを紹介してくれた。

なんと、ここで残土埋め立てということが判明した。

宅地開発ではなく残土埋め立て

翌日、町会事務所にいって、そのことを伝えたら、驚いていて、「先日から色々問い合わせがきてて。回覧に書いてある電話番号に電話したけど出なかったといって文句いってくる人とかいたんだけど....回覧の原紙をもってなくて困ってました」って、おいおい!!

とりあえず、回覧のコピーを取らせてくれ(って、町会が回した回覧だけどねえ)ってことになり....

宅地開発というのは事実ではなく、それは残土埋め立てだった。この「宅地開発」って説明がずっと先まで影響を与えることになるとはこの時はまだ知らなかった....

2020年12月 6日 (日)

県への問い合わせ諸々

2020年6月11日

県の廃棄物指導課に問い合わせ

市原市への問い合わせの結果、詳細は県の廃棄物指導課に、とのことだったので、県の廃棄物指導課に電話してきいてみた。すると、県の残土条例に従って、特定事業事前協議申請が出されているという。ただし、詳細については、開示請求をしてくださいとのことだった。それと、自然環境の件については、県の自然保護課を紹介していただいた。

県の自然保護課に問い合わせ

工事予定地について、県の自然保護課に電話して、予定地が保護区などに指定されていないか尋ねたところ、「県では指定はしていない、市原市の方で指定しているかもしれないから」とのことだった。で、市原市については、県の方から問い合わせて、結果を報告しますとのことだった。その後連絡がきて、「市原市の方でも特に保護区というわけではない」との回答があった。しかしながら、私の長年の観察では、千葉県レッドデータブクでAランクの重要保護生物に指定されているような生物の生息域であるので、なんとかならないかと言ったところ、生物多様性センターを紹介していただいた。

県の生物多様性センターに問い合わせ

県の生物多様性センターに問い合わせて、今回の件を話すも、「トキぐらいの貴重なものが生息していないかぎり、それをもって工事を中止させるということは困難」であるとの回答。これでは、折角、千葉県レッドデータブックなどに「最大限の努力をもって排除する必要がある」と言っているのは絵にかいた餅ではないか。行政の自然保護に対する限界を見た気がした。そもそも生物多様性センターの存在意義ってなんなの?と思った。

その後もこの工事を止めるための法的根拠などがないものかと色々な資料にあたったり、市や県の色々なところに色々な観点から問い合わせてみたが、決定打となるものは見つからなかった。

とりあえず、県に提出された申請書について、開示請求を行うことにした。開示請求って、きくところによると、請求してから一ヶ月くらいかかるらしい。その時の県の説明では、「まず、開示してよいかどうかの判断が一週間くらいかかる」という話し。なんだそりゃ?と思った。

開示請求

2020年6月22日

県に開示請求を行う

最初は「開示請求して開示できるかどうか判断に一週間くらいかかる」などと言われたが、翌日に県から電話が来て「開示できます」とのことだった。とはいえ、開示請求なんてしたことがない。「必要な書類と書き方はこちらに来ればその場で教えますので」ということで、県庁に出向いたところ、開示請求を行う場所まで連れて行ってくれて、「こうやって書いてください」と手取り足取り教えてくれた。それで無事開示請求をすることが出来た。Kaijiseikyu20200622

これでわかったことだが、提出されている書類は「残土条例に関する特定事業事前計画書」であり、しかも令和元年8月29日に提出されている。

さて、これで今回の残土埋め立て計画の詳細がわかるぞ。

開示請求してから、開示されるまでには相当な日数がかかるだろうと思ったので、その間に色々な人にコンタクトを取り、色んな方向から進めることにした。

自然保護関係の人の繋がり

2020年6月某日

藁をもすがる思いでかけた一本の電話

話は少しさかのぼる。「宅地開発のための造成工事のお知らせ」という一枚の回覧が回ってきたことから知ることになったこの問題、とにかく一人ではどうしようもないし、こういう問題に対する経験もノウハウもまるでない。頼れる人がいないだろうか?と色々考えた。

十数年前に、「散歩道プロジェクト」を始めた頃はとにかく自分が作った散歩道プロジェクトのWebサイトを多くの人に見てもらいたい一心で、千葉県の自然関係の色々なWebサイトを探し、相互リンクをお願いしてまわっていた。おかげで、その頃からの長い付き合いの方々が沢山いる。その中に、「千葉県自然保護連合」があった。三番瀬を埋め立ての危機から守る活動などをされて成果を上げていたことを思い出した。藁をもすがる思いで連絡してみた。電話で概要をお話ししたところ、突然電話したにもかかわらず、じっくりとお話しを聞いていただいて、「まあ、今はみんな高齢化してて、あんまり頼りにならないかもしれませんが」とのことであったが、とりあえず資料などメールで送れば見ていただけるとのことだった。本当にありがたかった。

2020年6月12日

現地視察とアドバイス

「千葉県自然保護連合」のNさんから早速電話があり、事前協議申請が出されているようだから、急いだほうがいいこと、そして、まず、現地を視察したいとの連絡をいただいた。そして、Nさんともう一人おいでになり、現地を案内した。埋め立て予定地と、そこからの排水路である村田川右支川をずっと歩いて案内さしあげた。その後、自宅にお招きして今後の進め方について作戦会議をした。過去の自然保護をめぐる様々な経験談を交えて、色々とアドバイスいただけた。印象的だったのは「色々意見を言ってるだけではダメで、自ら足を使って動くことが成功の秘訣」とのこと。そして、また色々な関係者を紹介いただいた。「さあ、やるぞ!自ら動かなくてはダメだ」と決意を新たにした。

町会への申し入れ

2020年6月19日

町会の問題として取り組むように要望

また少し話は前後する。

色々な人とこの件について話していてアドバイスいただいたことが一つあった。それは個人で動くよりも、町会なりの単位で動くことが出来たら周辺へのインパクトは大きいということ。行政としても個人の要望よりも、町会なりのまとまった住民の要望の方が、動きやすいとのことだった。

そこでとにかくこれを町会の問題として取り組んでいただくよう、要望書を作成して町会代表あてに持って行った。まずは、この問題を町会としてどのように取り組むのか、取り組みの可否も含めて役員会で検討してほしいと要望した。

周辺町会の動きも判明

要望書を持って行った後に、町会代表から周辺町会ではこの件はどのように扱われているかを問い合わせていただいた。事業地の地主が多い町会では、「業者が回覧してほしいといって持ってきたが、こんないかがわしい話は回覧すら出来ない。大地主にきいても、土地の売買の話しすらきいていないという。県議にお願いして、こんな案件を通さないようにクギを刺す」とのことだった。周辺町会の動きも少し見えた。やはり、この案件は怪しいと思っている様子で、少し安心した。

2020年12月20日 (日)

県議との打ち合わせ(第一回)

2020年7月6日

県議との打ち合わせ

県に開示請求した資料が届き、色々なことが明らかになった。それとは別に相談していた県議さんの方でも今回の事前協議申請の資料を入手され、打ち合わせをすることとなった。

事前協議申請はそもそも2019年8月29日に出されており、市役所の方で住民説明会の対象となる自治会を示したのこと。残土埋め立ての特定事業の事前計画書と同時に、開発地が林地であるため、林地開発の事前協議申請は2019年6月3日に出されている。ただし、林地開発に関しては、1年経過したため、自動的に「みなし廃止」となっており、再度提出が必要とのことだった。この時点では、「いったい何をしたいのだろう?」という感じだった。とりあえず、今後の方針を話し合った。

農地転用許可申請が出されていた

2020年8月2日

農地転用申請が提出されたようだ

いつものように工事予定地を歩いていたところ、残土埋め立て予定地の休耕田に立て札を見つけた。そこには「農地法代4・5条許可申請地」とある。使用目的は「調整池」とあった。近くで農作業をしている近所の人にきいたところ、少し前から測量などを行っていたとのことだ。

一旦は林地開発許可申請が一年経過で自動取り消しとなって安心していたのだが、また業者が動き出したようだ。そこで、早速、関係者に連絡を取った。県議さんが県に色々と問い合わせて調べてくれることとなった。即動いてくれる。本当にありがたいことだ。

再申請が出されていた

2020年8月4日

再申請が出されていることが判明

県議さんが即動いてくれて、調べてくれた。2020年6月30日に再申請が出されていたことが判明した。申請書の調整池について、浸透式ではダメだということで指導していくとのことだった。市原市からは住民説明のやり直し指導がされているということだ。いずれにしても、また動き出した。とにかく業者よりも早く色々な手を打たなければならない。

そして、8月13日に県議さんを現地案内することとなった。

県議さんを現地案内

2020年8月13日

県議さんを現地案内

再申請が出されたことから、県議さんが是非現地を見ておきたいとのことで、真夏の暑い中、県議さんと、元県議さんが現地視察に来てくれた。工事予定地を一通りご案内し、また、近くの既に工事が始まっている残土埋め立て地をご案内した。昨年の豪雨災害で被害が出た場所なども確認してもらった。

案内している間、工事を阻止するために何が出来るか?ということを色々と考えておられた。土砂搬入路の問題か、災害対策の問題か?私としては、自然環境破壊が一番大きな部分なのだけれども、具体的な問題点ということになると、住民の安全ということが重要となってくるのだろう。

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