2010年5月 8日 (土)

今シーズンのアカガエル救出作戦は終了

田んぼにはすっかり水が入り、田植えもほとんど終わった。この状態になれば、もうアカガエルの救出作戦も終了だ。我が家に連れて帰ったアカガエルのオタマたちは、ちょっとした飼育の失敗もあり、全部を戻すことは出来なかった。だが、もともと水が涸れて干からびる運命にあったオタマジャクシたちだ。Akagaeru2010050801 そのうちの何匹かでもここまで生き残らせることができたのだから、よしとしなければならない。今日、妻と娘を連れて、オタマジャクシの放流にいくことにした。

もといた田んぼは水が入り、なんとか、一部のアカガエルのオタマたちも生き延びた。水の中をみれば、すっかり大きくなったオタマジャクシたちが元気に泳いでいるのを見ることができる。実際のところ、これだけの数が生き延びたのは、何年ぶりかのことだ。いろんな人にお世話になった。いろんな人が理解して協力もしてくれた。そのことを思う。

Akagaeru2010050802 そして、娘の手から我が家のオタマジャクシを放流する。田んぼで育ったものに比べるといくらか小ぶりな気がする。多数を狭いところで飼っていたりしたことが原因かもしれない。それでも、田んぼの水に放すと、元気に泳ぎ出した。Akagaeru2010050803

「元気に育つんだよ」

妻と娘が田んぼの水の中を泳いでいくオタマジャクシにそう呼びかける。我が家のオタマに毎朝、餌をやってくれていたのは妻だ。よくここまで育ててくれた。

ところで、ニホンアカガエルの野生での寿命は数年と言われている。私は実際にそれを確かめたわけではない。しかし、私は毎年この場で産卵状況を観察してきたので、産卵状況からカエルの寿命を推測することができる。少なくとも、ここ3年間は、この田んぼのアカガエルのオタマジャクシはほとんど水涸れにより死滅するようになった。それでも、ここ3年間は産卵数に大きな変化は見られなかった。もし、産卵にやってきていた親カエルが生きている間は、毎年同じ場所に産卵にやってくると考えれば、産卵数もそれほど変化がないということになる。ところが、ここ3年間は、ほとんどが死滅して育つことができていない。だから若いカエルが供給されない。そうすると、毎年産卵にやってきていたカエルの寿命が尽きるとともに、一気に産卵数が減る。寿命が3年程度なら、3年間ほど、若いカエルが供給されないと、最も若いカエルでも3歳ということになり、最も若いカエルの寿命が尽きると一気に産卵数が減るというわけだ。今年はその寿命が尽きる年だったのではないかと思う。平均年齢と年齢分布を仮定した計算結果と、実際の状況を比較して、推測することも出来ると思うが、私がこの場の産卵状況から非常にアバウトな感覚で3年と見積もった寿命からそれほどずれていないだろう。

もし、私がこうしてアカガエル救出作戦をやったとして、それがどのくらいの効果を生むのかについては、これからしっかり観察していこうと思う。ここ数年の観察が非常にアバウトであったことを悔やんだ私だが、実際に正確な記録が重要であることに気付かされた今シーズンでもあった。来シーズン以降は正確な産卵数を記録し、死滅した卵塊の数、持ち帰り飼育し放流した数などをずっと記録していけば、この場所のアカガエルがどういう状況にあるのかを知ることができるはずだ。私はこれをやろうと思う。それを何年、何十年と記録していけば、見えなかったものが見えてくるはずだ。

それと、やはり、ニホンアカガエルの現状を多くの人にもっと知ってもらう必要があると思う。そして、彼らがこの場から絶滅してしまう前に出来るごく簡単なことを知ってもらうこと。それが大事だと思う。それを今から考えている。随分先の話だが、来シーズンに向けて、今から動き始めようとしている。

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2010年1月24日 (日)

クワゴの命綱

去年の9月のことである。妻が「庭の桑の木にカイコがいる!」という。そんな馬鹿な!と思い、みてみると、確かにカイコそっくりなイモムシがいて驚いた。調べてみたら、それはクワゴであった。Kuwago20090913

どうやら、このク ワゴはカイコの原種といわれる蛾で、言ってみれば野生のカイコといったところだろうか。今まで気付かなかったが、気付いてみると、桑の木に普通にいて、あちこちで目に付いた。Kuwago20090923

庭の桑の木にクワゴを見つけてからおよそ2週間。そのクワゴは繭を作り始めた。自分が半分ほど食べた桑の葉っぱの上で、葉っぱを巻くようにしながら繭をつくっていった。その繭はカイコの繭のように丈夫そうではなく、とても華奢な感じがした。

この時は気付かなかったのだが、桑というのは落葉する。だから、葉っぱの上に繭を作ったとしたら、葉っぱが落葉すると繭ごと落ちるんではないか?と思ったが、その心配は無用だった。

なんとも不思議なことだが、葉っぱの上の繭は枝にくくりつけられた糸でつながっていて、落葉しても落ちないようになっていた。 (注:この写真は後日別な場所で撮ったもので、上のクワゴが作った繭ではないが、実際、こんな風になっている)Kuwago20100124_2

「はあ、なるほど、命綱だなあ」と、それを見て妻と話していた。それにしても頼りない命綱である。こんなので冬を乗り切れるのだろうか?と心配していたが、意外にも、命綱は切れないものだった。

「だった」というのは、過去形である。11月頃に落葉してから、つい先日まで、庭の桑の木に命綱一本でクワゴの繭はぶら下がっていたのだ。ところが、先日、低気圧が通過して、かなりの強風が吹いた。実をいうと、私はすっかりクワゴの繭のことは忘れていたのだが、妻はしっかり毎朝窓の外のクワゴの繭を観察していたようで、朝、妻が「クワゴの命綱が切れて飛んでいっちゃった」という。見るとたしかに先日までしっかりぶら下がっていた繭が見当たらない。風で飛んでいったのだ。まあ、どこかに落ちているのだろう。その切れて飛んでいったクワゴの繭から無事羽化できるのか?それとも、もうダメなのか?ということが今となっては気になる。こんなことなら、もう少しよく観察しておくんだったと少し後悔した。後悔したが、おそらく今年もまたクワゴはやってくるだろう。今度はもう少し観察してみようと思う。

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2009年11月29日 (日)

元気でモリーヌ

この夏以来、ウスバカゲロウの幼虫をずっと飼っている。子供がそれぞれに名前を付けている。この散歩道ブログにも書いたが、巣を作らない幼虫であったホシウスバカゲロウの「ホカスリ氏」は無事成虫となって飛び立っていった。その後、偶然みつけたクサカゲロウの一種、「ゴミノッケ」と「ノッケーヌ」は繭を作ったが、ゴミノッケは上手く羽化できなかった。ノッケーヌは繭のままで、出てくる様子がない。もりもり動いて巣を作っていた「モリー」、あまり動かない「モリーヌ」、それから、突然土の中から登場した小さな小さな「チビちゃん」。このうち、モリーは行方不明になった。水槽の中の土を全てふるいにかけて調べたが、どこにも姿がなかった。一体どこに消えてしまったのだろう?「チビちゃん」は元気に毎日綺麗な巣を作り、餌も沢山食べる。モリーヌは巣を作らず、巣を作らないのであるから、餌もとることがない。10月の始め頃、餌をとった後、まったく巣を作る気配がなく、2ヶ月近くたった。「死んでしまったのか?」と思って掘り出すと、ちゃんと生きていて、動きまわる。

さすがに2ヶ月も餌をとらないのはまずいのではないかと、妻が「もといた場所に戻そう」という。そこで、次女とともにもといた場所に戻すことにした。

Morinu2009112801 とりあえず、戻す前に身体測定をする。体長は1.5センチほど。つれてきたときよりは少し大きくなったようだ。元気に後ろ向きに動き、とくに変わった様子もない。どうして、こいつは巣も作らず、餌も食べずに平気なのだろう?と思う。

いつだったか、普段は土の中にいるのに、毎日、昼過ぎになると土の上に出てきて、後ろ向きに這い回ることがあった。もしかしたら、ここの土が気に入らず、どこかいい場所をもとめてさまよっているのかもしれないと思った。そこで、土を入れ替えてみたりした。さすがに、昼間、土の上を這いまわることはなくなったが、やはり巣は作らなかった。

もといた場所の土を水槽に入れて、それを部屋の中に置いているわけだが、自然の状態ではないので、何か気に入らないことがあるのかもしれない。もといた場所に戻せば、ちゃんと巣を作るだろうか?

比較的、わかりやすい場所を選んで、そこに放した。放すとすぐに土に潜っていった。Morinu2009112802

放して1日後の今日、その場所を見に行ってみた。そうしたら、そこに、昨日はなかった小さな巣が出来ていた。Morinu2009112803

おそらく、この「モリーヌ」が作ったのではないかと思う。やはり、自然の環境は水槽の中の環境と違うのだろう。それは何が影響しているのかは、いまのところ定かではない。これもいろんな仮説をたてて、実験してみると、何かすごく面白いことがわかるかもしれない。そう思うと、ワクワクするのだが。

夏から冬にかけて、ずっとアリジゴクを観察していてわかったことが一つある。

餌を与えないでおくと、巣の大きさが大きくなるのである。餌が足りていると巣を作らなくなったり、巣を作っても小さい巣しか作らない。

今、自然の状態では巣がまだ沢山あるが、どれもこれも大きい。冬になり、餌がとり難くなって、巣も大きくなったのだろうと思う。これが、真冬になると、巣が見えなくなる。冬眠するのだ。こんなことも、また、詳しく調べると面白い。

自然の中には知らないことが沢山ある。それを少しずつ確かめて、少しずつ自然のことがわかるようになる。こんなちっちゃなアリジゴクもとても面白い生活をしているものだと、あらためて感心する。

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