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2023年6月19日 (月)

散歩道プロジェクト第二章は始まっている

昨年から、散歩道プロジェクトは第二章に入る、といって、様々なことをやってきた。ブログの方の更新がなかなかままならなかったし、そもそも散歩に行く時間もかなり減少してしまった。今、少し時間も出来たので、これまでの散歩道プロジェクト第二章の取り組みを少し記録しておこう。

散歩道周辺の谷津田はかつて、本当に美しい田園風景だった。Yatsuda2013051201

この写真はほんの10年前の2013年の写真。ここはまさにアカガエルの楽園だったし、いろんな生き物が育つ田んぼだった。それが耕作放棄地となって久しい今はこんな状態だ。Tambo2023061901

そうして、アカガエルは激減した。とはいえ激減した生き物ばかりではない。ハラビロトンボは増えて、以前は珍しいトンボだったが、今はごく普通のトンボになった。Harabiro2023061901

耕作放棄という環境の変化は生態系の大幅な変化をもたらす。そして、それはじっとしていない。少しずつ変化して別なものになっていく。かつて何百年と続いた自然環境は急激に変化していく。それだけならいいが、いつの間にか残土や産廃で埋め立てられたり、最近は、ソーラーパネルだらけになったりもする。これをなんとかしたいとずっと思ってきた。

そこで、昨年後半から耕作放棄された田んぼを再生して、稲作を始めようとやっている。最初は本当に草ボウボウの耕作放棄田んぼだった。Dsc_7803

何人かでこの草を刈り取り、耕して、水を入れて、田んぼを再生した。Tambo2023021502

そして、草ボウボウの土地が田んぼに戻った。これは、田植え直後の写真。Tambo2023061902

とはいえ、周辺はまだまだ耕作放棄地だらけだが、ほんの1%でも、もとの田園風景に戻すことができたのではないかと思う。しかしながら、耕作放棄地の圧力は凄い。草ボウボウの土地を苦労して田んぼに戻せたとしても、毎年どんどん耕作放棄地が増えていく。これをなんとかしたいと思い、色々とやっている。学ぶことは多いし、失敗も多い。試行錯誤しながら進んでいる。数年ではやりきれないことも多すぎるが、長期計画を立てて少しずつ進むしかない。

田んぼだけではなく、里山、谷津田の場合は斜面林だけれど、それを整備するということも少しずつ出来てきた。草や笹が生い茂って、通れなくなってしまった、くねくね峠道も少し整備して人が通れる状態に出来た。Sampo2023021604

さらに、かつて自動撮影カメラを設置して、散歩道周辺に生息する動物を探っていたりしたのだが、これも本格的に何か所かに設置するようになってきた。Trailcam2023061901

おかげで色々な動物を確認することができた。イノシシ、タヌキは本当に多いが、ノウサギ、ハクビシン、アライグマ、アナグマ、そして、キョンも撮影できた。

Anaguma2023061901

Inoshishi2023061901

この場所の自然を知り、それを多くの人に伝えることで、この場所の素晴らしさを感じてもらうこと。それが20年前に散歩道プロジェクトを始めた頃の散歩道プロジェクトの原点だった。20年間、ずっと歩き、観察し、感じてきた。その間に、この場所はどんどん変化してきた。大きな危機もおとずれた。その危機に必死で立ち向かったこともあった。

今は、さらに、この場所をもっと知り、自分の力で少しずつ変えられるところは変えていく。また、この地域の人々との繋がりもだんだんと出来てきた。

私はこの美しい自然がそのままであり続けるようにと、自分に出来る範囲でやろうと、それが散歩道プロジェクトの原点だった。その思いは今も変わらない。さらに色んなことを知り、さらに色んなことをやっていこうと思う。

20年間の散歩道と私の物語。第二章は始まっている。どこまで出来るか、何が出来るかわからないが、出来る事を増やしていって、進んでいこうと思う。

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