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2021年3月 7日 (日)

アカガエルの季節の憂鬱

 毎年この時期になると、今日はどれだけニホンアカガエルが産卵しているだろうかとワクワクしながら散歩する。そして卵塊を見つけては喜び、水が涸れて卵が死んでしまえば悲しみ、それから続くオタマジャクシたちの成長を見守る季節が始まるのだ。だが、今年はとても憂鬱だ。出掛けるのにも気が重い。それは、この看板に象徴される。Choseiike2021030701散歩道の谷津田の一番上流、私が必ず最初に写真を撮ってきたその場所にこれがある。ここは、残土埋め立て計画では調整池になる予定の休耕田だ。これを見るたびに何か重いものが私の心にのしかかってくる。

ここに残土埋め立て計画があることを知ったのは昨年2020年の6月のことだ。その計画はこの休耕田から続く谷を大規模に残土で埋め、この休耕田は調整池になる計画。そのことを知ってから私の頭の中は、そのことで一杯になった。まるで家族が重い病気にかかったかのように心配し、色々な人に相談し、色々なことを考え、色々なことをやってきた。このことに同じように心を痛め、何か出来ることをしようと言って同じ方向を向いてくれた方もいたが、そもそも、多くの人々は否定的だ。自分たちの生活には影響ないという人、法律を守っている限り何も言うことは出来ないという人、土地の有効活用だからいいじゃないかという人、言い方は色々あるが、とにかく否定的だ。中には、ここを埋めて道路でも出来たら便利になるから嬉しいという人までいる。

 私は別にこの土地の所有者でもなんでもないし、遠く離れた広島県の生まれで、ここにやってきたのはほんの25年ほど前のことだ。だから、何も言う権利もくそもないのかもしれない。それは理解する。 しかし、ここがかつて収穫期には黄金色に稲穂が実る美しい谷津田だったこと、20130921t そして、ニホンカガエル、ヘイケボタル、ホトケドジョウ、といった生き物たちが生き生きと生息し、谷にはウグイスなどの鳥の声がこだまする、そういう本当に美しい場所だったし、その中を歩いて、辛い時も悲しい時も癒されたものだ。「散歩道プロジェクト」はその癒しを与えてくれたこの場所に感謝しようという思いから始まった。

 昨年は、ここに大量に産卵されたアズマヒキガエルの卵を発見し、オタマジャクシが成長していくのを我が子のように見守った。Hikigaeru2020050501

そして、そのオタマジャクシが無事上陸して、やれやれと、ホッとしている時にその埋め立て計画が目の前に現れた。Hikigaeru2020051701_20210307102201

それから色んなことをやってきた。

この周辺はここ数年で休耕田が物凄く増えた。その原因は色々ある。イノシシの獣害もある。高齢化もある。様々な事情があると思う。それが残土埋め立て計画にもつながっているのだろう。

 私はこの場所にかつての輝きを取り戻したいと思う。田植えの時期には鏡のようにあたりの風景を映す田んぼ。Dscn0209-2

カエルの声やウグイスの声がこだまする谷津田。そして、秋になれば黄金色に実った稲穂。Inaho2021030701

そこで人々が生き生きと暮らす。そんな風景を取り戻したい。美しい未来を残したい。そう思って色んなことを考えている。自分に出来るありとあらゆることをやろうと思っている。そして、色んな人に働きかけたり、色々なことを模索したり、勉強したり。

ここ10ヶ月ほどはそうやって自分の余力を全てそこに注いできた。

しかし、

大多数の無関心な人々、否定的な人々。その人々はどんな未来を描いているのだろうか?

調整池予定地の看板を見るたびに悲しくなる。だから、大好きな散歩もいけずにいた。アカガエルに会いたくても、会えずにいた。

でも、アカガエルの季節は待ってくれない。今日、重い足を引きずるようにして、散歩に出掛けた。アカガエルの卵がそこにあった。見つけた時はいつものように嬉しかった。Akagaeru2021030601

こんな場所はここではなくてもいくらでもあるといえばそうだろう。だけど、私にとってかけがえのない場所。私の人生の一部なのだ。不幸にして計画が進んでしまったら、それは単に私の大事にしてきたものが失われるにすぎないのか。この場所を見つめてきた私の人生はそんなものなのかと思う。そう思ってまた重苦しい気持ちで家へと帰る。

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