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2019年5月 1日 (水)

秘密の花園

毎年ゴールデンウィークにはお弁当を持って一日中歩く。この時期は一年で最も多くの花が咲くので、それを一つ一つ見にいくのだ。点在している生息地を一日かけて回るのだ。もちろん、アカガエルやヒキガエルのオタマジャクシの様子も見ながらである。

キンランの群生地は深い深いやぶの中にある。背丈を超えるような笹や幼木をかき分けて進む。そうして進んでいるときに、ふと、「そういえば、このへんにカンアオイの大きな株があったな」と思い出す。そして、その株があったと思われるところに行ってみる。探すが、見つからない。Yabu2019042801

「あれ?このへんにあったはずだが....消えたか」

少し落胆しながら、さらに進む。笹の茂る急斜面をのぼっていた時、ふと後ろを振り返ったら、カンアオイの大きな株が目にはいってきた。「おお、あったあった!」

斜面を降りて、そこに向かう。カンアオイの株はさらに大きくなっていて、また、新しい芽も出て、増えていた。Kanaoi2019042801

ここはかなり深い藪の中だから、おそらく誰も知らないだろう。誰にも知られることなく育つ大きなカンアオイの株。カンアオイは冬に地味な花が根元に咲くだけだが、それがなんとも奥深い。

そこから泥んこになりながら進んで、キンランの群生地に来てみたが、花はまだだった。たぶんあと一週間くらいかな?

いつものように最後にわずかに残されたアカガエルの産卵地にいってみる。オタマジャクシはしっかりと育っていた。沢山のオタマジャクシを目にして思わず笑顔になる。「元気で育てよ!」Akagaeru2019042801

そしてそして、私のとっておきの秘密の花園を目指して歩く。

おそらくほとんどの人が知らないかもしれない道を進む。

すると、あったあった!秘密の花園。Ichirin2019042801 Miyamahakobe2019042801 Tanigikyo2019042801

ここはどういうわけか白い花が多い。イチリンソウにミヤマハコベにタニギキョウ。それぞれに美しい花を咲かせている。数年前に土が崩れたのと、最近猛威を振るうイノシシに掘り返されて少し数が減ったが、それでもしっかりと花を咲かせている。

この周囲には本当に沢山の野草が花を咲かせている。それは日本古来の植物であり、ずっと人々の生活とともにあった。そして、こんなにも多様でこんなにも美しい花をつけるのだ。

貴重なものも多く、盗掘の恐れもあるので、その全容を公開できないが、どれもこれも人々の住む里のまわりに沢山咲いているのだ。Jirobo2019042801 Ikariso2019042801 Nirinso2019042801

最近、このような日本古来の花の咲き乱れる里山という本来の姿を無視して、更地のようにしたあげく、芝桜やネモフィラなどを植えて、それを多くの人が見に来て「ああ綺麗だね」と喜んでいるのを見ると、本当に悲しくなる。さらに、こうして本来の日本の里山にしっかりと長い年月咲いてきた植物は見つかると盗掘にあってしまう。いったい人々は日本の自然をどうしようとしているのか?と思う。美しい日本の里山の自然を大切にるということは、まず、こんな日本の里山の風景をしっかり見て、そこに何があるのかを理解することが大切だろう。そして、そこに昔からあるものをずっと大切にすることが必要だろう。それを無視して、更地にして公園にしてなんの脈絡もない花を植えることがどれだけ無知なことか、罪なことか、今一度考えて欲しい。

私が大切にしたい「秘密の花園」。それは何故「秘密」なのか、何故「秘密」にしなければならないのか?そこに日本人の自然観を問いたい。

私はこの先もずっとこれらの花を見ていたい。

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