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2019年4月14日 (日)

散歩道のニホンアカガエルは生き延びるのか?

散歩道プロジェクトを始めた2003年から、この地に生息するニホンアカガエルの事は詳しく見てきた。いまや、千葉県レッドデータブックでカテゴリA、最重要保護生物となっており、絶滅の恐れのある種だ。Akagaeru2007022300

(写真は2007年に散歩道で撮影したニホンアカガエル)

ニホンアカガエルは2月から3月に産卵するとされている。実際のところ、千葉県では早いところでは1月の終わりから産卵し、2月ごろにピークを迎えるところが多いようだ。だが、この散歩道では2月の終わりころから産卵が始まる。産卵は、流れのない浅い水たまりで行われる。ニホンアカガエルのオタマジャクシはほとんど流れに逆らって泳ぐ力がないため、流れがあると流されてしまう。それと、そもそもニホンアカガエルの卵はこんな形である。Tamago2017040904

水の流れがあると、流されて行ってしまう。だから流れのない水たまりが重要である。

ニホンアカガエルは5月の終わり頃、手足が生えて、カエルになって上陸する。つまり、その間はオタマジャクシなわけだ。そのオタマジャクシの期間水が涸れてはいけない。水が涸れると死んでしまう。つまり、産卵のある2月頃から6月頃まで、その水たまりは水が涸れてはいけない。

だいたい、ニホンアカガエルが産卵する2月頃に水が入っている田んぼというのはほとんどなく、田んぼの一部に水が溜まっているだけというところが多い。その水たまりが田んぼにたっぷりと水が入るころまで水が涸れずにあると、生き延びることが出来る。だいたい、散歩道周辺のニホンアカガエルはそういう環境で生きてきた。

しかし、ここ数年、特にこの5年くらい、田んぼに水が入ることもなくなることが多くなった。休耕になるからだ。休耕田は草ぼうぼうになり、一年中水が張られることもない。Tambo2019041401

かつて、毎年数百の産卵があった田んぼも休耕になって何年にもなるが、こういう様子になってしまった。

それでも最初の頃は、この休耕田のわずかな水たまりに産卵があったものである。しかし、産卵された卵は全て死んでしまい、育つものがいなかった。そうして数年たつと、産卵がまったくなくなる。それは、ここに産卵にきていた親のカエルが寿命が尽きてしまったからだ。

 こういう様子を私はずっと記録してきた。

この場所のどこにいついくつ産卵があったか、そして、それは生き延びたか、それとも水が涸れて死んでしまったかをずっと記録している。

たとえば、これは2013年の記録である。Sanran2013

産卵があったものは赤い字で記録。死んでしまったものは黒い字で記録。産卵場所と卵塊の数、日付を記入している。

この頃はかなり広範囲に沢山の産卵があったことがわかる。軽く100個は超えているのだ。だが、ここから急激に変化が起きる。このあと、ほとんどの田んぼが休耕になる。そして、田んぼには水が入ることがなく、たとえ産卵されても、ほとんどが水が涸れて死んでしまうようになった。

休耕田の中のわずかに残された場所だけが、水が涸れることがなかった。そして、今年はこんな状況となった。Sanran2019

明らかに赤い字が減っているし、産卵される場所がごく限られるようになった。産卵された卵塊の数でいえば、30個ほどだ。だが、これは今日新たな産卵を見つけたことが大きく、それまではたったの7個だった。

アカガエルは2月から3月頃に産卵する。だから、そのころに水が入らない田んぼでは産卵が出来ない。というのが世間の常識である。しかし、このあたりの田んぼは4月頃に水が入ることが多い。そうすると、4月頃、ようやく水が入ると、一気に産卵するということが以前から見られていた。そして、今年、3月までに産卵された数よりも4月に産卵された数の方が圧倒的に多くなった。3月までは7個。4月に入ってから30個に増えたのだから。

今までの観察から、産卵のピークは2回ある。それは2月の終わり頃から3月にかけての一回目。そして、4月上旬から中旬にかけての2回目る。ただ、長年の観察からすると、最初からそうだったわけではないと思う。田んぼに水が豊富だった10年ほど前は、明らかに2月の終わり頃から3月の初旬にかけて産卵のピークがあった。だが、そのうち、2月の産卵は見られなくなった。私の記録では、2月に産卵された卵は、ほとんど死滅して生き延びることが出来なかったようだ。そして、3月中旬頃にピークが来るようになった。このピークは今でもみられる。ただ、一ヶ所しかなくなった。そこにしか涸れない水溜まりがないからだ。そして、4月のピーク。

今日、沢山の新しい卵塊を見て、たいそう驚いた。今日、4月14日。今年一番多くの卵塊を見た。これはたいそう驚きだった。だが、今、産卵されたものは、おそらくほとんどが生き延びることが出来るだろう。

Tamago2019041401

そして、3月に産卵があった場所、これは私は最後の生き残りと思っていたところにもあらたな産卵があった。すでに元気なオタマジャクシが泳いでいるそばに、産みたての卵があった。Tamago2019041402

この場所のニホンアカガエルがこの先、どうなっていくのか?私はずっと観察を続けていきたい。

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