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2014年2月16日 (日)

散歩道プロジェクト11年目の日

もはや、私にとって、「散歩道プロジェクト」はなくてはならない存在である。11年前の2月16日、何を考えたのか、とにかくカメラを持って家を出た。そして撮った最初の写真がこれだ。

Sampomichi2003私がこの地に来たのが、1994年。本当に力強い自然に囲まれて過ごしていた。だが、それから、どんどん周囲の自然は消えていき、宅地造成の波にさらわれていった。この写真を撮った地が最後の砦だった。ここを越えたら、今の私の散歩道がある。

 当時、この周辺には今から考えると到底無謀とも思える大規模開発計画があり、私がここでずっと記録してきた自然の大部分は消えてしまう運命であるかのようだった。私は何年もそれに対して何もすることが出来ずに過ごしてきた。そして、11年前の今日、それならば、とにかく自分の足で歩き、自分の目で見て、記録して、考えて、多くの人々にそれを見てもらうこと、そして、消えていく自然を最後まで見届けること、それをやろうと思ったのだ。

 幸い、その後の状況の変化により、計画は頓挫したものが多かった。しかしながら、世の中の流れが変われば、いつまた元の計画がよみがえるかわからない。そう思ってきた。その前になんとかしたい。その前に人々の考えに、人々の気持ちに、感情に、なんとかしてこの素晴らしい自然のことをうったえることが出来ればと、ずっと焦ってやってきた。

 そのことを忘れてはいけないと思う。そうして、毎年、この日に、あの2003年の2月16日の思いを確認する。そして、それから11年後の今、こうして散歩道を歩くことが出来ていることの意味を確認する。私がこの11年間でやってきたことを確認するのだ。

 さて、今年、関東は2週続けての豪雪に見舞われた。昨日は未明から雨となり、雪は大部分がとけたが、散歩道にはまだ少し雪が残っている。Sampo2014021601大量の雪解け水のため、田んぼなどにはたっぷりの水がある。この水がそのまま残っていけば、もうすぐやってくるアカガエルの産卵には適した状態となるのだが。それにしても、先週は30センチを越え、今週も10センチを越える積雪。その雪解け水は半端じゃない。水路があふれ、畑も水浸しになるほどだ。Yukidoke2014021602この11年間で、こんなことは見たことがない。もちろん、こんな豪雪も初だが。

 雪の重みで折れたのだろう、あちこちで木の枝が落ちている。枝というにはあまりに大きいものも少なくない。くねくね峠道にも大きなコナラの枝が落ちていた。Eda2014021601枝というにはあまりに大きすぎるだろう。こんなことは初めてだ。上を見上げると、かなり太い枝が沢山折れているのが見えた。

 定点観測写真で、先週の雪の中で撮ったものと、今日を比べると、大きな枝が何本も折れていることがよくわかる。Teiten2014020801_2Teiten2014021601今年はこの場所の写真をずっと撮り続けようと思っていた。冬の枯れ枝から、新芽が出て新緑になり、やがて紅葉してまた葉が落ちる。そういった風景を撮影しようと思っていたが、思いがけないことが起きた。これもまた自然の営みだろう。いまだかつてない雪はいまだかつてない出来事を生じた。

 試しに、折れた枝をつかんでみる。Eda2014021602木のぬくもりというか、体温というか、少し暖かさを感じた。揺すってみると、確かな弾力があった。それは枯れ枝のものではなく、まだ生きている枝の感触だ。まだこの枝は生きている。そんな気がした。いつも定点観測ではるか上方に見ていた枝。地面に落ちると想像以上の大きさだ。やがてこれは枯れ枝になっていく。枝を手でゆすりながら、最後の生きている枝と握手出来た気持ちだ。そして、これは枯れていく。土にかえっていく。そして自然はめぐる。ずっと自然が生きてめぐっているのだ。得体のしれない開発によって、殺されて砂漠にならない限り。砂漠を作る人々は、こんな生命の営みを知るはずもなく...それが11年目に私が思ったこと。

 私はずっとずっとこの自然を感じて、歩きつづける。
 

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