« 2013年11月 | トップページ | 2014年1月 »

2013年12月29日 (日)

2013年の感謝をこめて

 今年、2013年で「散歩道プロジェクト」は10周年を迎えた。去年の今頃は10周年記念イベントを開催すべく色々な動画などを製作していたころだ。10年という年月は一人の人間にとっては長い。この10年に私の人生の色んなことが詰まっている。しかし、自然界の時間の尺度からすれば、ほんの一瞬かもしれない。

 明日から帰省のため、今日が今年最後の散歩だ。そう思って出かける。枯れ草におおわれた散歩道。これはこの年末年始の風景だ。Sampo20131229014
季節としては、ここが底である。一月ほど前までは、枯れ草色になりながら飛ぶトンボや、最後の力を振り絞って歩いているカマキリなどがみられたが、もう、まったくその姿はない。しかし、ここからまた新しい季節が始まるのだ。Kunekune2013122901くねくね峠あたりのコナラやクヌギの木はもう完全に葉が落ちて、くねくね峠はとても明るい道になっている。こういう季節のめぐり。そういうことに、10年以上前はほとんど気付かずにいた。しかし、自然というものはこうしてめぐっていることをこの10年、それこそ10周して、その中で色々なものを見て、色々な体験をして知ることが出来た。

 今の人々は、時の流れを何で知るだろうか?自分の体の変化や、家族の変化、まわりの人々の変化で知るかもしれない。それは、実は自然の時の流れのほんの一部分であって、大自然の中、時は静かに流れている。その中の一部として自分がいることの他ならない。そのことに気付くこと。自然を感じて日々生きることは、それを気付かせてくれるのだ。Aozora2013122901


くねくね峠の底で、上を見上げると、すっかり広くなった空。青い青い空が広がる。こんなに青い空があることは、ここを散歩するようになるまで知らなかった。吸い込まれそうな、仰向けに地面に寝転がると、空の奥に落ちていきそうな、そんな空。

Shimo2013122901足元には霜。霜でガチガチに凍った地面がある。日が差してきて、地面の温度が上がってくると、溶けてぬかるみになる。谷津田の谷底は気温が低く、一日中霜や氷がとけないところもある。

Tambo2013122901田んぼの水たまりは、氷となって、白くひび割れる。それがこの冬の底の風景。

 この地の神社に足を運ぶ。今年一年、沢山歩けたこと。この地で色んなものを見ることができたことに感謝する。Jinja2013122901かつては、しょっちゅう訪れたこの神社。何かあると、神社に足を運んだ。

 随分前に、ある人が行っていた。「神社にお参りするときは、請求書を持っていくのではなく、領収書を持っていくのだ」と。

なるほどと思った。それ以来、何か一区切りついた時に、神社を訪れるようになった。「ありがとうございました」といって、心の領収書を持っていくのだ。

そして、今日は、今年一年の領収書。今年一年、みんな健康で、私も沢山歩くことができました。来年もまた、沢山歩こう。そうして、私はこの地の自然を感じて生きていく。それを表現していく。

| | コメント (0)

2013年12月16日 (月)

めぐる季節とともに2013

今年一年の散歩を振り返り、季節の流れを一つの動画にしました。

 動画の中にはいくつかの定点観測写真があります。動画の中に出てくるのはほんの一部ですが、代表的な季節の変化が線となり、時間の流れとなってみることができます。

 定点観測写真は、もう何年も散歩のたびに同じアングルで撮り続けています。そういうことによって私たちは時の流れを知ることができます。二度と繰り返すことのない時間とかけがえのない空間の中で、私たちは生きていることがわかります。そして、その時間と空間に向き合った時間は私にとって、かけがえのない時間となって私の中に蓄積されてきました。

 しかしながら、現代の多くの人は、このような風景に足をとめることもなく、誰も何も気付かないうちにどんどんと失われていきます。そういう現実を私はなんとかしたいのです。私は「散歩道プロジェクト」を通して私がこの自然の中で感じてきたこと、そのことを多くの人に感じてもらいたいのです。そのことによって、身近にこのような奥深い自然の営みがあって、それはかけがえのないものであり、私たちにかけがえのない時間を与えてくれて、様々なものを見せてくれるものだと知って欲しいのです。それが私のライフワーク。だから、こうして自然と向き合い、それを五感で感じて、それを自分に出来る限りの力を使って表現していきたいのです。これからも出来る限り歩き、感じ、表現していきたいと思っています。

 撮影:TAGA@散歩道プロジェクト

 音楽:作曲・演奏:TAGA@散歩道プロジェクト

 2013年12月15日完成:2013年12月16日公開

http://youtu.be/Iuk9u4LqzWs

| | コメント (0)

2013年12月 1日 (日)

始まりの冬

先週は紅葉がすばらしく輝いていた。Kunetoge2013112301このあたりは、コナラやクヌギが主体なので、真っ赤にはならない。黄色くなって、やがて茶色くなって葉が落ちる。それでも、茶色くなる寸前は輝くような美しさだ。そして雨のようにパラパラと音を立てて、葉が落ちてくる。ドングリもポツリポツリとその硬い実を感じさせるように落ちてくる。Konara2013112301
輝くような紅葉を見せていた先週と比べると、随分季節が進んだのを感じる。ここから一気に落葉し、冬の風景になっていくのだ。Kunetoge2013113001澄んだ空と、落ち葉。落ち葉が乾いていくような香り。秋の虫の声は消えて、鳥たちのさえずりが聞こえる。

「散歩道プロジェクト」を始めて、カメラを持って歩きだしたのは冬だった。それより少し前、一人こんな風景を歩いたことを思い出す。

あれはもう10年以上前のこと。家族全員インフルエンザでダウンした正月。一番先にインフルエンザにかかった私は一人だけ回復していて、一人、歩いて近所の神社まで初詣にいったのだ。Michi2013113001インフルエンザが治ったばかりで、動くと少し息が切れるようだった。そんな中、一人延々と舗装されていない田舎道を歩いて、神社を何軒かハシゴした。とある神社でお参りをしたら、お婆さんが「これどうぞ」といってミカンをくれた。それをポケットに入れて、歩いた。なんのことはない、ミカン一つ。でも、それが嬉しかったのを覚えている。家に帰って、まだ寝ている妻や娘にそんな話しをする。乾いた空気、静けさ、落ち葉の乾いていくような香り、そんな風景の中をあるいたことは、私にとってかけがえのない時間と空間の思い出だ。そんなことも、「散歩道プロジェクト」の原点の一つなのだろうと思う。Susuki2013120101沢山の生命が、すこしずつ芽吹いてくる春や、生き物があふれる夏は当然好きなのだが、静かに冬にむかっていく秋、そして、静かな静かな冬も、私は好きだ。

 365日、少しずつ変化していく季節。そして毎年毎年、それは少しずつ異なっている。そんな自然の移り変わりを見ながら、自分の時間も少しずつ過ぎていく。私は少しずつ歳をとり、そして、家族も変わっていく。世の中も。自然の中から、それを見る。私たちが生きているこの場所のこの自然の営みは、ずっと同じように繰り返されるようで、様々なものが複雑に入り組んで、複雑に変化している。Tombo2013120101そのことを、よく知らなかったかもしれない。この10年間、ずっと見てきて、本当に知らなかったことばかりだ。たとえば、このトンボだって、12月にトンボが飛んでいるなんてこと、知らなかった。トンボはクリスマス頃までは飛んでいる。そして、いなくなるが、成虫で年を越すトンボはそのあともずっと飛んでいる。Sora2013120101このところ、散歩に出かける日はずっと空が澄んでいる。今日は、少しだけ雲があるが、まるで絵に描いたような雲が淡く広がっている。見るもの全て美しく感じる日々。

いつものように、「くねくね峠」にいく。Kunetoge2013120101まだ3時前だというのに、太陽はずいぶんと傾き、斜めに差し込む太陽の光に、木々が長い影を作る。日陰は、ひんやりとするが、ひなたはポカポカとあたたかい。

くねくね峠を越えたところに、ジョロウグモが糸をたらしてぶら下がっていた。Jorogumo2013120101動く様子もない。「死んでる?」そう思って、触ってみるが、やはり動かない。糸にぶら下がったまま息絶えてしまったのか。やがて風で飛ばされて地面に落ちるだろう。そう思って見ていたら、ゆっくりと、本当にゆっくりと動き出した。最後の力を振り絞っているのだ。

「がんばれよ」

と思わず声をかけた。だが、もう、このジョロウグモは一生を終える。その最後の光景を私は見ることが出来た。

Kage2013120101「今日もまた、良い出会いがあった。」そう思いながら、くねくね峠を引き返した。

| | コメント (0)

« 2013年11月 | トップページ | 2014年1月 »