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2013年7月20日 (土)

百合と蝉時雨の中を

 梅雨明けしていきなりの猛暑だったが、このところはオホーツク高気圧の圏内に入り、比較的過ごしやすい。寒すぎるわけでもなく、夏がずっとこんな風ならいいのにと思う。

 久しぶりの散歩だ。散歩道に入ると、いきなり、ギャーッと獣か鳥かわからない大きな声が林の中からきこえてきた。その声は高速で移動して近づいてくる。

 あっ、鳥だ!と思った時は、逆行でよくわからなかったが、私の頭の上をかすめるように飛んでいく時、なんと猛禽類のサシバがなにやら獲物を捕まえて飛び去っていくのが見えた。あわててカメラを向けるも、すぐに林の中に消えてしまった。この谷津田に人知れずくりひろげられる命のドラマを垣間見た気がした。

 一瞬の出来事にただ唖然としている私の目の前に、ヒラヒラとコミスジが迎えてくれた。Komisuji2013072001 私の好きなチョウの一つだ。ゆったりと、ひらひらと舞う姿がとてもいい。近くでみると、なかなか美しい蝶なのである。

 田んぼわきにはノカンゾウが沢山咲いている。今年は随分と沢山咲いた。Nokanzo2013072001 田んぼのまわりは綺麗に草刈りをされているが、ノカンゾウなどの花は残しておいてくれるようだ。

 今日は曇っていて、日差しが柔らかで涼しいが、そのせいか、真昼間なのにヒグラシの大合唱が聞こえてくる。Yatsuda2013072001 何かの拍子に一匹が鳴きはじめ、それにつられて合唱が大きくなっていくようだ。このへんはシュレーゲルアオガエルやアマガエルの合唱に似ている。暑さを感じそうなニイニイゼミの合唱と、涼しげなヒグラシの合唱が同時に聴こえ、さらに、ウグイスのさえずりさえ聴こえてくるという、とても不思議な音風景が広がる。

 くねくね峠の入口に、立派なヤマユリがあった。Yamayuri2013072001 あたりにとても良い香りをただよわせている。このヤマユリは、花びらの黄色い線がいくぶんピンク色がかっていて、ちょっとかわっている。ちょっとかわっていて、それがとっても鮮やかだ。

 くねくね峠はすっかり夏の風情。Kunekune2013072001 日射しがないと、ずいぶんと暗い暗い、木のトンネル道だ。

 いつものように、くねくね主の穴を覗き込む。もうそこに彼はいないとわかっていながら、それでも毎回、「もしかすると」と思う。Ana2013072001 あるいは彼の二代目がやってきてくれるのではないかと少し期待して覗きこむ。しかし、今日も誰もいなかった。丁度一年前、長い付き合いだった、くねくねの主と、ここで最後のお別れをした。その日も、今日のようにニイニイゼミが鳴いていた。

 いつものように谷津田をずっと歩いて行くと、道端にヒキガエルの死骸があった。Hikigaeru2013072001 何かに食べられたのだろうか?体の肉はえぐられて、骨が見えていた。そして、沢山の蝿がたかっていた。くねくねの主も、去年の今頃、こうして自然にかえっていったのだ。自然は死を無駄にしない。大きな命の流れの中の一つの状態に過ぎない。生まれてくること、そして今生きてるということも。

 山の中に、ちょっと開けた草むらがある。おそらく誰も気づかないが、この時期のここを舞っている蝶がいる。Kusamura2013072001 この時期に限られ、また、この環境に限られる蝶だ。年によって多い少ないはあるが、必ずここで見られる蝶だ。今年はどうだろう?と思って立ち止まって草むらを眺めていたら、黒っぽいその姿を発見出来た。

 なかなかとまってくれないので、うまく写真におさめることができないな。そんな風に思いつつ、蚊の攻撃をかわしながら草むらを見つめる。すると一匹、近くに止まっているのを発見した。だが、角度がイマイチ悪い。そっと草むらに踏みこんでいく。「逃げないでくれよ!写真を撮らせてくれ!」そう呟きながら近づく。そして、Janome2013072001 しっかりとその姿をカメラにおさめることができた。ジャノメチョウ。千葉県レッドデータブックでCランク、要保護生物に指定されている蝶だ。私はこの蝶も好きだ。このあたりでは、ここの草むらのような環境には普通に飛んでいる蝶だが、いまや数が減っている。写真では写しきれないような、微妙な色が美しい。ぱっと見、こげ茶色に見えるが、微妙に紫やピンク、青といった色が混じっている感じなのだ。跳んでいる時には、黒っぽく見え、羽ばたいている翅が時々、不思議な色に見える。

 この蝶はうちの庭にも毎年のようにやってくる。おそらく近所の草むらで繁殖しているんだろうと思う。今年は庭で見ることが出来るだろうか?

 梅雨が早くに明けたので、もう夏になって随分と日にちがたった気がしているが、本当なら今頃梅雨明けだ。夏はこれからだ。命あふれる夏を、私も命を燃やして体いっぱいに感じたい。Sampo2013072001

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コメント

 こんにちは。サルスベリが咲き始めるといよいよ夏だなと思いますが、小さい頃はそんなものには興味がなく、終業式が終われば夏だったような気がします。

 いきものの死骸を見ると、人は土には還れないんだなあとしみじみ思います。

 こちらの散歩道では、ノカンゾウはすこし増えたような気がします。ヤブカンゾウが減ったのかもしれません。記録を取っていませんから所詮戯言ですけど。

 コミスジ好きです(笑) 木漏れ日の射す雑木林であれが舞っている美しさは、気づいた人だけの喜びでしょうか。

投稿: NRG | 2013年7月21日 (日) 22時56分

そうですね~。子供の頃は終業式が終ると同時に捕虫網を持って走り回っていたような気がします。それが夏の始まりの合図でした。季節の感じ方も色々ですね。

人もかつては土にかえっていたでしょうが、今は土にかえることは無理なのかもしれません。私としては、愛する散歩道の土になれたら幸せだと思いますが、なかなかそうはいかないでしょうね。

ノカンゾウ、こちらでも確実に増えてます。数は微妙ですが、いままで見なかった場所で咲いているのを見ます。ヤブカンゾウが減っている感じはしませんが、どうなんでしょうね。

雑木林の木漏れ日の中、コミスジが舞うのは、独特な美しさですね。コミスジならではのあの飛び方、なんともいえない風情ですね。

投稿: TAGA | 2013年7月22日 (月) 18時28分

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