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2013年6月23日 (日)

濃い緑の中を

 梅雨だ。このところ、ずっと梅雨空が続いていたが、この週末はうまい具合に梅雨の中休みとなった。このところ、毎日怒涛の日々。あまりの忙しさに、かつてない疲労感を感じている。そんな中、昨日はそれでも足をひきずるようにしてわずかな時間散歩に出かけた。少しだけ歩いて帰ってこようかと思いつつ、それでも、歩けば重い体が少しは軽くなっていくのではないかと思った。確かに、少し頑張って歩けば、重い体が軽くなった気がした。

 そして今日も。

 散歩道に入ると、いきなり金色に輝くジンガサハムシが迎えてくれた。Jingasa2013062301 まるで小さな金メダルだ。いきなり子供のように喜ぶ。そして一生懸命写真を撮っていたら、どこかに飛んで行ってしまった。

 散歩道は日に日に緑が濃くなり、あちこちで草刈り機の音が響く。今が一年で一番緑が濃い時期なのだ。そして、連日の雨の後、湿った香りが強くただよっている。さらに、草刈りをして、その青い香りが強くだだようのだ。Yatsuda2013062301 こんな中を歩くと、まるで緑のシャワーを浴びるようでもある。スーッと気持ちが軽くなる。

 いつものようにくねくね峠に向かい、そして、今、一番気になるオオバノトンボソウを探す。あったあった。Ooba2013062301 一つ、二つと数を数える。今年は随分多い気がする。毎年、毎年、少しずつ場所を変えて出てくる。それをずっと楽しみにしている。

 草むらの中には、しっとりとノシランやオオバジャノヒゲが咲いているのが見える。Noshiran2013062301 この時期にふさわしく、とてもしっとりとした味わいのある花だ。Janohige2013062301 雨上がりに、花から滴が落ちてくるのを見ると、この花の形は、この時期に美しく咲くために出来ているとしか思えない。とても地味な花だが、私はこういう花が好きなのだ。

 一方、とても鮮やかに美しく咲くヤマユリも、あちこちでつぼみを付けていた。Yamayuri2013062301 この花がぱーっと明るく咲くと、夏がやってくる。夏のおとずれを告げるのにふさわしい花だ。それにしても、季節毎に咲く花は、どうして季節を物語るような色形なのだろう?

 栗の花が白く咲いているところに、いろんな虫がやってきているのを見ていたら、花にヒョウモンの仲間が沢山いるのが見えた。このあたりでは、ツマグロヒョウモン以外はあまりみかけないのだが、こんなに沢山いるなんて!みると、どうやらミドリヒョウモンのようだ。Hyomon2013062301 こんなに沢山のミドリヒョウモンを見たのは初めてだ。普段、こんな風に上を見て歩くことがないからか。最近は、少しは上を見て歩こうと思っている。

 とはいえ、地面が気になる私だ。なぜなら、今、チビガエルたちがピョンピョンと沢山跳ねているからである。ほとんどがアマガエルだが、時々アカガエルを見かける。まだまだよちよち歩きのあかちゃんという感じのアマガエルに対して、アカガエルはちょっと大人になっていて、素早く跳ねて草むらに消えていく。人間でいうならば中学生くらいか。Akagaeru2013062301 ずいぶん大きくなったね~、と話しかける。

 開けた田んぼにやってくると、休耕田の葦原でオオヨシキリがギョウギョウシー、ギョウギョウシーと鳴く。見ると、木のてっぺんにとまって大きな口を開けて鳴いている。Oyoshikiri2013062301 随分と悪声だが、声は遠くまで響く。

 それにしても、緑だらけだ。どこまでいっても緑。どこまでもいつまでも歩いていたい気になる。Midori2013062301 Midori2013062302

*新作動画をアップしました。ちょっと季節はずれてしまいましたが。ゴールデンウィークの頃を思い出して...

谷津田が最も輝く季節に

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2013年6月16日 (日)

梅雨の晴れ間

 梅雨だ。土曜日は、しとしと雨が降ったりやんだり。日曜日の午後にはあがるだろうと思っていたが、やや長引いた。日曜は朝からザアザア降り。しかたなく、作りかけの曲を完成させようと思ったが、結局、一から作り直した。しばらく使う予定もないが、作れる時に作っておこう。雨はずっと降り続き、夕方になってようやくあがった。

 雨上がりの散歩道はとても気持ちが良い。緑が水に濡れて、あたりに湿った香りが強く漂う。Sampomichi2013061601 みんな雨があがるのを待っていたかのようだ。畑仕事をしている人に挨拶する。ずっと静かだったウグイスがまたいつものようにさえずり始め、ホトトギスが鳴きながら飛ぶ。

 いつものように、アカガエルを放流した田んぼのほとりに行ってみる。アカガエルより少しあとに上陸を始めたアマガエルが沢山。Amagaeru2013061601 それこそ、踏みつけそうになるくらい。アマガエルのチビたちは、アカガエルほど俊敏ではなく、本当に踏みつけてしまわないかと心配になる。ちっちゃなちっちゃなアマガエルたちは、草むらの草にもしがみつく。Amagaeru2013061602 圧倒的な数のアマガエルたちの中で、一生懸命アカガエルを探す。なかなか見つからない。水辺の近くに大勢いるアマガエルたちを避けているのか、随分と山側にアカガエルのチビをみつけた。Akagaeru2013061601 先週見た時より少し大きくなったかな?そう思うのは、おそらく私が大きくなっていて欲しいと思ているからだろう。たぶん、たいして大きさはかわらない。

 道端のヒメコウゾの実が赤くなってきた。先日まで、歩きながら時々食べていたモミジイチゴはもうすっかり実が落ちてしまい、今、色づいているのはこのヒメコウゾだ。Kouzo2013061601 ヒメコウゾはモミジイチゴよりも色が鮮やかで美味しそうに見える。始めて食べた時、さぞや美味しいだろうと期待して食べたが、あまりの不味さに吐きだしてしまったことを覚えている。見た目に反して美味しくない。食べられなくはないが、好んで食べようとは思わない。

 いつものようにくねくね峠に向かう。雨にぬれたホタルブクロが綺麗だ。Hotaru2013061601 ホタルブクロとはあまり関係ないが、もうそろそろホタルの季節だな。もう少し蒸し暑くなれば、ホタルが沢山飛ぶだろう。そんなことを思う。ホタルブクロはホタルの季節に花をつける。

 雨に濡れたくねくね峠は美しい。そして、湿った香りの中を歩いていく。Kunetoge2013061601 そうだ、そろそろオオバノトンボソウが咲き始めるころだ。そう思って探す。オオバノトンボソウは地味な花なので、探すのに苦労する。あ、あった。Oobanotombo2013061601 二つの株がよりそうように生えていて、花のつぼみをつけていた。よくみると、その周辺にいくつかあったが、今年はどういうわけか、こんな風に二つの株が寄りそうように生えているのが多かった。今年もみることができた。毎年、少しずつ場所を変えながら生えてくることの不思議。そして、不思議な花の形。今年もまたみることが出来た。

 くねくね峠の奥の田んぼにいくと、雲の切れ間から日が差してきた。Tambo2013061601 日が差すと、緑の上に降った水が蒸発し、強く香るのだ。そして、しばらくすると、じめっとした空気の粘り気を感じる。梅雨の中、多くの生命がうごめいているのを感じつつ。

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2013年6月 9日 (日)

それでも生き延びたアカガエル

今年は雨が少ない。3月の雨が記録的に少なかったことが、アカガエルの産卵を遅らせた。そして、産卵された卵も、水涸れの危機に遭遇することになった。私はそういう卵を見つけては、ジョウロで必死で水をかけたりしていたことは、ここに書いた。なんとか生き延びたかと思うと、またさらなる水涸れがやってきて、いよいよ今度こそはダメか、と、何度思ったことか。

実は、アカガエルの最初の上陸を見ることができた先々週も、同じような水涸れが起きていた。そのことはあえてここには書かなかった。Mizutamari2013052601 日照りの中で、ほとんど水がなくなった水たまり。ここは比較的水が安定してあったので、ここのアカガエルのオタマジャクシたちは順調に育っていた。上陸まであと少し、あと少しなのに...わずかな水たまりの中で、必死で動くオタマジャクシの姿を見て、絶望的な気分になっていたのだ。

 水が涸れそうな場所の卵を持ち帰り、育て、放流したアカガエルたちが、立派に上陸した姿を見た直後のことでもあった。私は「それが自然というものなのだ」と、独り言を言っていた。

 その後、梅雨入り宣言があって、直後には雨が少し降ったものの、それからほとんど雨が降らない状態が続いたので、ここのアカガエルたちはもうとっくに死に果てているだろう、そんな風に思っていた。

 先週は体調が悪く、この水たまりに行くことは出来なかった。しかし、そこにいくまでの水たまりの様子を見て、「きっとダメだ」と、そんな風に思っていたことは確かだ。

 あたりはすっかり6月の風景になり、道端にはホタルブクロの花がみられるようになってきた。Hotaru2013060901 この奥の田んぼのまわりは、本当に足の踏み場もないほどの、大量のチビアカガエルたちが上陸しているのを見た。ここだけは、しっかりとアカガエルが命をつないでいる。我が子のように愛おしいアカガエルの姿を見る。アマガエルやシュレーゲルアオガエルなども上陸を始めていて、田んぼのまわりの木の葉の上などに、静かに座っているのを見ることができる。まだ、尻尾がついたままだったりもする。Kaeru2013060901 そんな風景を見ながら、例の水たまりへと向かう。私は、干からびたオタマジャクシ、足がはえてきたオタマジャクシが沢山干からびている光景を頭に浮かべながら、それでも、その最後の姿を見届けることが大切なのだと自分に言い聞かせながら進む。

 曲がり角を曲がって、水たまりが見えてきたとき、ちょっと驚いた。たっぷりと水があるではないか!Mizutamari2013060901 おそらく、隣接する田んぼに水が供給されて、その水があふれてこの水たまりにも溜まっているのだろう。よかった!と思った。だが、まだ安心できない。もし、オタマジャクシたちが死んでしまった後に水が供給されたのであったら意味がない。

 私はおそるおそる水たまりに近づいていく。すると、足元で小さなものがピョンと跳ねた!

 「あ、いたいた!」

私は思わず叫んだ。Akagaeru2013060902 それは紛れもなく、アカガエルのチビ。上陸してしばらくは、育った水辺の近くにいるから、ここにいるということは、この水たまりで育ったアカガエルに間違いない!よかった!頑張った!

 見ると、数匹がその周辺で跳ねるのを見ることができた。数は多くはないが、それでも、ちゃんとカエルになっている。Akagaeru2013060901 水たまりの中をよく見ると、オタマジャクシの死骸らしきものがいくつか転がってもいた。過酷な環境に耐えられずに死んでいったものも多かったことだろう。先々週の、水が涸れそうになった状態でピチピチと必死で動くオタマジャクシたちの姿が目に浮かんだ。でも、そのなかから、しっかりと耐えて上陸できたものがいたんだ。

 私はいつの間にかこの周辺のアカガエルたちの苦楽をともに感じるようになっているのかもしれない。干からびて死に絶えていくアカガエルたちを見るのは苦しい。しかし、それは自然の成り行きなのだと、何年も自分自身に言い聞かせてきた。いよいよ危なくなってきたアカガエルたちに、少しでも力になれればと、行動を始めてしまったのが数年前。余計に思いは強くなる。そうして、アカガエルだけでない、この周辺の生き物のめぐりを感じるようになってきた。身近な自然とともに生きることはこういうことなのかな?と。

 舗装された道の上に、黒い点々。Kuwa2013060901 クワの実が沢山落ちているのだ。食べごろになったクワの実を食べようかと、上を見上げると、手が届かないくらいの高い場所にあった。まあいいや、うちの庭のクワも食べごろになっているだろう。

 道端では、アリジゴクがしきりに砂を飛ばして巣を直していた。

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2013年6月 2日 (日)

カエルになったよ!

 ニホンアカガエルのオタマジャクシを放流してからというもの、オタマジャクシの様子を見に行くということが散歩に出かける目的の大部分をしめるようになっている。「さあ、オタマジャクシの様子をみにいってくる」といって出かける。

 Sampomichi2013060101 今年は少し早く梅雨入りした。緑はすっかり濃くなり、どんよりと曇った空と濃い緑がすっかり梅雨の風景だ。先日までにぎやかだったシュレーゲルアオガエルの声も、すっかり静かになり。今は、ウグイスとホトトギスの声が谷にこだましている。

 田んぼをのぞきこむと、そこには沢山のアマガエルのオタマジャクシ。多くの人はこれを見て、田んぼで沢山のカエルが育っていると思うことだろう。しかし、このオタマジャクシの群れのほとんどがアマガエルであることをわかる人がどれだけいるだろうか?いや、そもそも、この周辺には4種類のカエルが生息していることもわからないだろうし、鳴き声をきいてもどのカエルの声だかわからないだろう。それがわからない状態では、ここのニホンアカガエルが絶滅の危機に瀕しているということも正しく理解できないと思う。

 せっかくだから、わかりやすい写真を載せておこう。

Akagaeru ニホンアカガエルのオタマジャクシは背中の左右に黒い紋が出る。そして、体が卵型である。Amagaeru アマガエルのオタマジャクシは体が角ばっていて、目と目の間が離れている。そして、背中の後ろの方、尻尾の付け根あたりに黒い紋があるものが多い。Azuma アズマヒキガエルは全体的にのっぺりと黒く、一箇所に塊になって群れていることが多い。Shuregeli シュレーゲルアオガエルは色はのっぺりとしたこげ茶色に近く、顔の先端がとがっていて、尻尾は長めである。

 さて、一生懸命、田んぼを覗いてアカガエルのオタマジャクシを探す。しかし、なかなか見つからない。そうしているうちに、目の前でピョンとチビカエルが跳ねた。Akagaeru2013060102 まだ、尻尾がついているけれど、すっかりカエルになったニホンアカガエルだ。嬉しい。ここに産卵された卵は私が連れ帰ったもの以外は全滅したから、ほぼ間違いなく、うちで育ったカエルだろう。

カエルになって、陸に上がることが出来るようになれば、それは巣立ちだ。これからアカガエルとして自然の一員として生きて欲しい。陸には多くの天敵もいる。多くの危険が待ち構えている。しかし、その中を生きること、たとえ、他の生き物の餌になったりしても、それがアカガエルとして生きることだ。「頑張れよ!」と声をかける。

 一匹みつけると、次から次へと見つけることが出来た。去年よりは少ない気がするが、それでも、沢山のチビガエルが育っている。Akagaeru2013060101 私のアカガエルのシーズンは終わりだ。アカガエルは無事卒業。巣立ちだ。「頑張れ!」

 少し嬉しくなって田んぼのほとりを歩いていると、小さなクサガメをまた見つけた。拾い上げてみる。相変わらず、尖った爪の感触が心地よい。先日見つけた時よりも、少し大きくなったかな?Kusagame2013060101 様々な生き物が育つ田んぼ。この風景を見ると涙が出そうになると言っていた人がいた。

 かつて、この周辺の自然がことごとく破壊されていき、私は「砂漠」と呼んだ。それが私の散歩道プロジェクトの原点でもある。そして、今、また、周辺で「砂漠」が増えてきた。それぞれの場所の素晴らしさを誰も知ることなく、どこにでもある都市に変化してしまう。私は歩ける限りここを歩いて、その素晴らしさを伝えたい。一言では伝えきれない、数多くの事柄を、しっかり見つめて、伝えていきたい。Sampomichi2013060102

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