ノウサギ
散歩道周辺にはノウサギが沢山すんでいる。私は糞が沢山落ちている場所を知っているし、雪が降れば、いくらでも足跡が見つかる。春の繁殖期になると、交通事故にあってしまうノウサギも多い。だから、ノウサギは沢山すんでいるんだ。
私が初めてノウサギの写真を撮ることが出来たのは、もう10年も前のことだ。丁度、「散歩道プロジェクト」を始めて間もない頃。その頃は、たいして性能のよくないデジカメを1台持ち歩いていただけだから、かろうじてノウサギがいることがわかる写真を撮るのが精一杯だった。
それでも、証拠写真が撮れたことに喜んだものだ。
それから、何度もノウサギには遭遇したけれど、ちゃんと写真が撮れたのは4年後になる。走り去るノウサギを望遠レンズで流し撮りして、今度は、しっかりとノウサギの形をとらえることができた。2007年のことだ。
それから、ノウサギに出会うことは何度もあったが、写真が撮れたことはなかった。
そして、今日、偶然にもチャンスはやってきた。
歩いていると、そばの藪の中からガサゴソと何かが歩く音がした。こういうことはよくある。でも、多くの場合が、キジやコジュケイなどの鳥の場合が多い。鳥の場合は二本足だから、音を聴くと、「あ、鳥か」とわかる。しかし、今回は明らかに4本足の獣だということが音からわかった。しかし、それほど大きくはない。
藪の中をそっと覗くと、茶色い小さな獣が土手をのぼっていくのが見えた。かなり小さくて、スマートな体系だったので、一瞬、小さなタヌキか、あるいはネコかと思った。しかし、次の瞬間、特徴的な耳が見えた。
ノウサギだ!!
あわててカメラを向ける。ノウサギはそのまま走り去るかと思ったが、土手の上の開けた場所で耳をたててあたりをうかがっていた。
丁度、茂った木々の隙間から光が差し込んでいる場所で、とっても綺麗に撮れた!
ノウサギはしばらくそこにとどまっていたので、沢山写真を撮ることが出来た。
ノウサギのいろんな表情を撮ることが出来た。そうして、必死でシャッターを切っていると、後ろから、声をかけてきた人がいた。
「何がいるんですか?」
私は小声で、
「ウサギ、ウサギ、ほら、あそこに耳が見えるでしょ」
といった。
「ホントだ!」
その人はノウサギを初めてみたといっていた。見れたことをとても喜んでいた。この周辺にはノウサギが沢山いるけれど、なかなかお目にかかることは出来ないんだということを説明した。
そうやってしばらくノウサギを眺めていたら、ノウサギはこちらの気配に気づいたのか、藪の奥に去っていった。
ここは、交通量の多い県道の近く。私は「交通事故に気をつけて、しっかり生きるんだよ!」と心の中で、ノウサギに話しかけた。
何故か昼間なのに、フクロウがボロッポーと鳴いた。そうだ、フクロウにも気をつけるんだぞ!ほとんど誰にも知られずに生活しているノウサギたち。この場所の自然の一員として、生きているのだ。また、時々会いたいものだ。
































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