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2013年4月27日 (土)

一年で一番美しい季節の始まりだ

 ゴールデンウィークに突入した。私はどんな行楽地にいくよりも、散歩道に出かけるのが楽しい。谷津田がキラキラと輝き、シュレーゲルアオガエルの大合唱と、ウグイスのさえずりの中、風に揺れる木漏れ日の中を歩くのだ。朝早く起きて、もう、待ちきれない。お弁当を持って、思う存分歩きまわる。そうして、くたくたになって家に帰るのだ。Sampo2013042701 ここ数年は、毎年何日かはそうして一日中自然の中を歩いて過ごす。一年で一度のこの季節を毎年待ち望んでいるのだ。

 散歩道に近づくと、本当にワクワクしてきて、速足になる。まるで子供のようにはしゃぐ。待ちきれなくて、あわてて出てきたので双眼鏡とボイスレコーダーを忘れてしまった。引き返すのも時間が勿体ないので、そのままいくことにする。また明日でも明後日でも、チャンスはある。Otama2013042701 救出したアカガエルの卵はオタマジャクシになり、わずかに残された水たまりで泳ぐ。このまま水が涸れなければいいのだが。そのそばに、シュレーゲルの夫婦。

 沢山の卵塊があった水路は水がほとんど涸れてしまった。わずかに残った水たまりに、もしかしたら生き延びているものがいるかもしれないが、水が供給されない状態では、日照りが続けば危うい。この水たまりだって、本当にわずかなので、かなり危うい。それをなんとかしたいが、私の力にも限界を感じてしまう。とりあえず、連れて帰った卵はオタマジャクシになり、一匹も離脱することなく順調に育っている。それが現在、唯一の私に出来る確実な方法だ。あとは人々の意識をここに向けるしかない。ここに穴を掘り、手伝ってくれた人、心配してくれて色々と協力してくれた人もいた。人々の理解が進めばなんとかなるとは思う。だが、まだそれは足りないと思う。私はライフワークとして、それをなんとかしたい。

 Komorebi2013042702 くねくね峠道はすっかり木漏れ日の道になった。風が吹くと、木漏れ日が揺れる。下の谷津田からは、シュレーゲルの大合唱。それが谷にこだまして響く。そうしてウグイスの声がときおり混じる。

 Yatsuda2013042702 水の入った田植え前の田んぼは、キラキラと輝いて美しい。これが日本の田園風景。本当に美しいと思う。こんな風景にかこまれて生きている私たちは本当に幸せだと思う。私たち日本人が長い年月をかけてはぐくんできた風景。こういう幸せな風景を犠牲にして、なにが得られるというのだろう。

 Kiji2013042701 目の前をキジが横切る。一瞬、つがいか?と思う。しかし、こいつは単独のオスだった。よこぎった後、草むらでしきりに、「ケン、ケーン」と鳴いていた。

 Niwa2013042701 里の庭にはシャガやツツジが目に鮮やかだ。そして、山にはフジの淡い色がまだら模様を作る。Fuji2013042702 どこまでも続く里山の風景。まわりを見渡しても、人間は今は私一人。Yatsuda2013042701 ゲンゲの咲く田んぼの畦に一人すわっておにぎりをほおばる。こうしてお日様の下でゆったりと時間が流れていく。Yatsuda2013042703 私はこの季節、この風景が本当に好きだ。ずっと静かだった冬が過ぎ、また春がやってきて、生き物たちが賑やかになってきた。さあ、美しい季節のスタートだ。一年で一番美しい季節。大好きな自然の中で過ごすのだ。

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2013年4月 7日 (日)

春はいっきにやってきた

 昨夜は春の嵐だった。時々強く降る雨。それと猛烈な風が吹いた。ベランダの我が家のアカガエルのオタマジャクシたちが心配で、夜中に何度も見た。毎年、アカガエルを飼育しているこの時期に1度は嵐が来る。それでも、毎年大丈夫だったから、今年もこの程度では大丈夫だろうと思ってはいるものの、少し不安になる。水槽が風で飛ばされないか、水槽が飛ばなくても水が飛んでしまわないか、と。何度も見るが、大丈夫な様子。朝、起きて、真っ先に水槽を覗くのは妻だ。妻がいう。

「みんな元気。大丈夫だよ」

Suiso2013040701 風が吹くと、水面が大きく波立つが、オタマジャクシたちはおびえる様子もなく、元気に泳ぎ回っている。これが、カワイイんだ。自然の中で、この程度の嵐で全滅しているようでは、生きていけないだろう。そんなことを思う。

 さて、今日もアカガエルの様子を見に、散歩に出かける。この10年、何十万コマという写真を撮った。しかし、よく考えてみたら、それはほとんど全て散歩道の写真だ。こうして、出かけることは、もはや何気ない日常なのだけれど、ほとんど私はこのライフワークに時間を費やしているということだろう。でも、それが一番幸せを感じるのだから。

 里山の木々は新芽が出始めて、淡い淡い緑が美しい。春の嵐の後、空気が澄んで、風が猛烈に強い。出始めた緑がちぎれて飛ぶからだろうか、濃い緑の香りを感じる。ああ、春が来たなと思う。Satoyama2013040701

 畑仕事をしている人に会う。アカガエルのことでは色々協力していただいた方々だ。やはり、話題はアカガエルのことになる。私同様に水が涸れそうになった場所に卵塊を見つけて、水のある場所に移動させたそうだ。そういう話しをきいて本当にうれしかった。私のアカガエルの話しを理解してくれて、行動してくれる。なんて素晴らしいんだろう。

 まずは、先日、水が涸れそうになっていて何度も何度も水を汲みにいった水路を見に行く。さすがに、嵐の後でもあり、水は溢れんばかりにあった。「おお、これだけ水があれば大丈夫!」そういって、声に出してつぶやく。水が涸れそうで、瀕死の状態だった場所の卵塊に、元気に動くオタマジャクシを見つけた。Otama2013040701 いいぞ、いいぞ!生きている。このまま元気に育て!

 そして、今年一番最初に見つけた卵塊の場所にいってみると、もうすでに随分と大きくそだったオタマジャクシたちが泳いでいるのが見えた。Otama2013040702 しっかり大きく育っているではないか!いいぞ、その調子で元気に育て!こういう姿を見ると、心配して何度も水を汲みに行って、必死で水をかけたことが思い出される。まるで我が子のような思いだ。

 場所を移動させた卵塊もしっかり生きていた。ただ、こちらは、日陰で水温が低いせいか、成長が遅く、まだオタマジャクシにまではなっていなかった。Tamago2013040701 でも、とにかく元気に育っている様子。今年、私が移動させたり、水を補給したりして、なんとか命をつないだものたちは、とにかく生きている。そのことが嬉しい。

 上の田んぼの水路にいってみたら、急激に増えた卵塊に驚いた。一つ、二つ、三つ、と数える。「おお、こんなにあった!」久しぶりに沢山の卵を見て、嬉しかった。ここと、この上の田んぼが去年、飼育放流をした場所なので、もしかしたら、私が連れて帰って、家で育て、そして放流したアカガエルたちが産卵しているのかもしれないと思ったら、うれしかった。そうして、水たまりには、かつて、この周辺のいたるところでみられたような沢山の卵塊が。Tamago2013040702 これだ、これだ、この光景だ!これが、私が取り戻したかった光景。重なりそうになるくらい、沢山の卵塊。私は3月に異様に雨が少なかった今年の天候をうらんだが、アカガエルたちは雨が降るのを待っていたのだ。そうして、春の嵐が過ぎ、一気に産んだ。嬉しい。去年までは見られなかった光景。

 田んぼはすでに水が入りかけている。だから、このままこの水が涸れないでいれば、このアカガエルたちは育つことが出来るのだ。嬉しい。危機を感じていた先週までが嘘のようだ。

 散歩道の田んぼをくまなく見てまわる。すでに水が入った田んぼ。もともとアカガエルの卵を見ることが出来ていた田んぼには、少なからず卵塊があった。ここ数日の間に産んだと思われるものが多数だった。先週、田んぼの手入れをしはじめていた年配の方に、「今年は雨が降らないから、カエルも卵を産みませんね」などと話したが、今日は田んぼに水を入れ、田おこしをされていた。そのそばでは、大量のアカガエルの卵塊。一つ、二つ、三つ、と数えていくと心が躍る。こんなに沢山、こんなに、生きていたんだ!Tamago2013040703 まるで夢のような光景。かつてのアカガエルの姿を取り戻しつつあるのか。とにかく嬉しい。何年もアカガエルの危機を感じて、必死に守りたかったその光景が、今、取り戻されつつあるのかもしれない。このアカガエルたちが無事に育って、ここの自然の一員としてまっとうなアカガエルとしての一生を終えて欲しいと願うばかりだ。

 キラキラと光るヤマザクラに、「良い季節が来た。春が来たんだな。」と、顔がほころんだ。さあ、命燃やせ!季節はスタートしたんだ。シュレーゲルの合唱が谷津田にこだましていた。Yamazakura2013040703

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2013年4月 6日 (土)

泳ぎ始めた我が家のアカガエル

先日連れて帰ったアカガエルの卵塊。無事、オタマジャクシにかえった。毎朝、起きると水槽を覗きこむ。水槽に近づくと、チョロチョロと動きが速くなる。Otama20130405 その泳ぐ姿を見て、思わず表情が緩む。この子たちは本当にカワイイ。

 私がこうして連れて帰らなければ、この子たちは水が涸れて死んでしまう運命だったのだ。

 こうして連れて帰ったアカガエル。これから2か月ほどは、日々、水のことを心配し、暑い日があれば、水温が高くなりすぎないように日陰を作り、餌のことを心配し、病気にかからないか心配し、そうしてそうして、毎日、元気に泳ぐ姿を見て安心する。本当にカワイイなと思う。そういう毎日を過ごすことになる。そうして、また、もといた場所に戻す。

 育てて放したアカガエルが自然の中でたくましく生き、まっとうなアカガエルとしての一生を終え、命をつなぐことができることを切に願うのだ。本当は、私がこんなことをしなくても、アカガエルにはたくましく、自然の中で生きて欲しい。だが、今、私たちの足元では、彼らの生きる場所がどんどん減り、放っておけば消えてしまうかもしれない状況にあるのだ。少なくとも私が見てきたこの10年間で、彼らの数は1/10以下に減った。

 それは、耕作放棄で水が入らなくなった田んぼ、過度な排水で水たまりさえも出来なくなった田んぼ、あるいは、埋め立てられて消えてしまう田んぼ、コンクリートで固められ、水が流れていくだけになってしまった水路、あるいは彼らの生活の場の里山ごと消えてしまう現状。そういった中で、どれほどの人に、彼らの危機が見えているだろうか?見えていない人には感じることが出来ないのだ。見えていない人たちには、いなくなろうが、絶滅しようが知ったことではないではないか?それでいて自然にやさしいことをするって、何をするのだ?

 私はまず、多くの人に彼らのことを知ってもらいたい。身近な生き物の仲間として、自然の一員である彼らを知って、そこから何かを感じてもらいたいのだ。

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2013年4月 1日 (月)

負けるな!アカガエル!

この週末はすっきりしない天気。雨もしとしとと降った。家に連れて帰ってきたアカガエルの卵はオタマジャクシの形になってきた。卵塊の1個はもともと、少し発生が進んでいて、もう1個はまだ産みたてという状態だった。しかし、同じ水槽に入れていたせいか、産みたてだった1個の成長が異様に早く、先に産んだやつに追いついてしまった。Otama2013033101 もしかしたら、これは、アカガエル同士の生存競争のために、同じ場所で先に産んだ卵にあとから産まれた卵の成長が追いつくような仕組みがあるのかもしれないと思った。田んぼなどで観察していても、こんなことには気づかなかったのだけれど。

 さて、散歩道の卵の様子を見に行く。いま、散歩道はヤマザクラが咲き、新芽がでかかり、淡い色がとても美しい。Sakura2013033101

 先週、ちょっとだけ場所を移動した卵は無事だった。ここなら水が涸れない筈だから、これからしっかりと成長して欲しいと思う。人々が見つけやすい場所にあるので、この子たちはしっかりとみんなに見守ってもらえるようにしようと思う。Tamago2013033101 同じ場所にいくつか産みつけられていたものを、安全のため(水が涸れると全部死んでしまうから)別な場所に移したものも無事だった。少しずつ成長している。

 ところが、今年、一番沢山産みつけられた水路にいってみて愕然とした。水が涸れそうになっているのだ。水路でも上の方に産みつけられたものは干からびる寸前だ。まだ、少しプルプルした感触はあるのだが、もうだめかもしれない。Tamago2013033102 雨は弱いながらも長時間降ったと思うのだが、それでも水が涸れている。雨が降ったら水たまりが出来そうな場所でも、今年はまったく水たまりが出来ていなかったり、いつもは水がたっぷりある水路に水が流れていなかったりするところを見ると、今年の異様な雨の少なさのため、降った雨はそのまま地面にしみ込んでしまうのかもしれない。先日まではしっかりと水があったこの場所は、どこかから水が供給されているわけではなく、周辺の田んぼなどから染み出した水がたまっているだけなのだ。しとしと雨程度では、水がたまることはないのだろう。実際、近くに置いてあるプラスチックの水槽の水ですら、涸れそうな状態だ。雨が降ったのにである。

 それでも、その水路の下の方の、今年最初の卵塊を見つけた場所では、かろうじて水があって、オタマジャクシはちゃんと泳いでいた。これがせめてもの救いか。Otama2013033102 呆然と、干からびかけた卵塊を見ていたら、なんと一部はヒクヒクと動いているではないか!生きているよ!生きている!そう思ったら、じっとしていられなくなった。放水だ。とにかく放水。いまここで何もしなかったら死んでしまうだけだ。そう思って、水を汲みに行った。

 上流の水路も水が少ないので、汲むのに苦労しながら、でも、なんとか汲んできた。そうして放水する。Tamago2013033103 水をかけると、オタマジャクシがピクピクと動いた!生きている!生きている!頑張れよ!

 私は何度も何度も水を汲みに行き、何度も何度も水をかける。そうして、水路に水がたまってきた。オタマジャクシはもう白くなって死んでいるものもいるが、ピクピクと動いて生きているものもいる。どうにか生き延びるんだ!数日後にはまた雨が降る。今度こそはまとまった雨になってほしい。Otama2013033103 かつて、このしゅうへんに数百個あったアカガエルの卵塊は、どんどんと減り、今年はまだ10個ほど。それも、こんな風に死にかけている状態だ。これをなんとかしたい。今のまま放置していたら、ほとんど誰にも気づかれずに、この場所からアカガエルがいなくなってしまう。そうなる前になんとかしなければ。こんなこと、私一人でいつまでも続けていられるわけでもない。だから、多くの人に知ってほしいと思う。今、ここでアカガエルたちが直面している危機を。そうして、こんな平和に見える谷津田で、こんな風に姿を消していく生き物があることを。自然を大切にするとは、なんだろう?私たちが守るべきものはなんだろう?自然を守りたいという私たちは何を守りたいのだろう?それを本当に考えて欲しいと思う。こういうものをしっかり見て欲しいと思う。

 とにかく、頑張れ!アカガエル!

※2013年3月の千葉の降水量は35.5mmで、平年の32%。1mm以上の雨が降ったのは6日。ここまで少ないのは珍しい。

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