くねくねの主、死す
先週、久しぶりに、くねくねの主に会うことが出来たことはここに書いた。。それが嬉しくて、彼と出会ってからの5年間のことを動画にまとめたりした。そうして、最近になって持ち歩くようになったビデオカメラで動いている彼の映像を初めて公開することができたのだった。
それから一週間。まさか、このような結末が待っているとは。
暑い暑い夏の日である。ニイニイゼミの大合唱の中を、くねくね峠道を登っていったのだ。
いつものように定点撮影場所で写真を撮り、くねくねの主の棲む穴まで歩いて行った。「きょうはどうしているかな?」と、元気な姿を想像しながら歩いた。ところが、目にしたのは、信じたくない光景だった。
くねくねの主は、穴の入口で息絶えていた。すでに蠅がたかっている。
「どうしたんだ!」
思わず叫んだ。
わたしはその場にしゃがみ込み、くねくねの主の最後の姿をじっと見る。一体何があったんだ。
彼と出会ってからの5年間のことが、グチャグチャになって頭に浮かぶ。先日まで元気だった彼にはもう会えないのだ。そのことは私にとって受け入れがたいことのように感じてしまう。
「いままで、ありがとう」
何度も何度も、自分自信に言い聞かせるように声をしぼりだした。そうして、静かに手を合わせる。何度も何度も手を合わせ、目を閉じる。そして、また目をあけて変わり果てた彼の姿をみる。
何があったのだろう?特に外傷があるようにもみえなかった。昨日の異様な暑さにやられてしまったのかもしれない。原因はわからない。だが、彼は死んでしまったのだ。
彼をどこかに埋めることも考えたが、彼はこの穴にいるのが一番だろう。ここは目立つこともないし、彼のことを気にかけてくれていた人々も、ここを通りかかれば、彼の姿に気付くかもしれない。
「いままで、本当にありがとう」
何度も何度もそう言った。私はしばらくそこにしゃがみこみ、何度も何度も手を合わせ、何度もなんども目を閉じた。
そうして、立ち上がり、ゆっくりとその場を去った。急に風がビューッと吹いてきて、木々がザワザワと揺れた
。田んぼの稲が風に波立つ。ニイニイゼミの大合唱の中、背中から彼が風にのって私を追い越していった。そんな気がした。










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