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2012年6月24日 (日)

ホタルブクロの季節に

数日前には台風が接近し、かなりの風と雨に見舞われた。梅雨ではあるが、この週末は天気がなんとかもったので歩くことができた。梅雨の季節はある程度、歩くことをあきらめている。それならそれで、家にこもってすることもあるので良いのだが、雨が降っていないとなると、それは貴重な時間だと思い、出来る限り歩くことにする。Tambo20120624 田んぼの稲は随分と育ち、緑の絨毯が延々と広がるのだ。やはり気になるのはアカガエル。畦を歩くと、アカガエルがピョンと跳ぶ。チビアカガエルたちは随分と大きくなった。田んぼの水に飛び込む音がしっかりとポチャンという音がする。Akagaeru20120624 上陸したての頃の踏みつけそうになるほどのチビガエルからすれば、少しまばらになってきている。行動範囲を広げたり、あるいは天敵に襲われて数が減ったりということもあるのだろう。それでいいのだ。アカガエルとしてまっとうに生きることが出来ているのなら。

 チビアカガエルに近寄って写真を撮ろうとしても、天敵に襲われたりして、学習したのか、なかなか近寄らせてくれない。上陸したてのころは、そんなことはなかったのに。しかたないので望遠で撮る。

 アマガエルのチビたちも、ずいぶんと上陸して、あちこちで跳ねている。もともとアマガエルはアカガエルよりも小さいものだが、上陸したてのころはほとんど同じ大きさだった。しかし、今は、アカガエルの方が随分と大きく育っている。Amgaeru20120624 それぞれがそれぞれにカワイイものだ。カエルたちよ、しっかり育て!

 休耕田でキアゲハがせわしなく、右に左に飛んでいた。カメラを向けてしばらく追いかける。すると、なにやら産卵するようなしぐさを見せた。ミカンなどの木に産卵するナミアゲハと違い、キアゲハの幼虫はセリ科の植物を食べて育つ。住宅街に多くいるナミアゲハとちがい、田んぼのまわりにはキアゲハが多いのはそういうわけだ。Kiageha20120624 それにしても、こういうところに産卵して、無事成虫になれるんだろうか?と、少し心配になるのではある。

 くねくね峠にいってみたら、コナラの木が道をふさぐように倒れていた。Konara20120624 先日の台風で耐えられなかったのだろう。もともとこの木は朽ちていたようだ。朽ちた木が何かの拍子に倒れ、虫たちの餌となり、土にかえっていく。それもまた自然のめぐりだ。この木が立っていたときから、この木に棲みついていた生き物の一部は、別なところにひっこしせざるを得ないだろう。そうして、またあらたな棲みかを見つけて、そこで生きていくだろう。

林の地面にはオオバジャノヒゲが沢山花をつけていた。Janohige20120624 下向きに咲く花から、雨のしずくがたれる様子は、まさに梅雨の花にふさわしい。

毎年、この時期に出てくるオオバノトンボソウ。少し前から、見続けてきたが、これはあまり目立たない草なので、いつも探すのに苦労する。特に、この時期はどんどん草が成長するので、その草に埋もれてわからなくなる。Oobanotonnbo20120624 しかし、そのまわりの草に埋もれていながらも、それは独特の形をしっかりと主張する。一度見つけると、それは際立って見えるようになる。今年もこの花に会うことが出来た。毎年少しずつ場所を変えながら生える。私はこの花には何故か凄く思い入れがあるのだ。

 道端をふさぐように、大きなアオダイショウがよこたわっていた。じっとして近づいても動かない。Aodaisho20120624 あまりにじっとしているので、これはチャンスと思い、思いっきり近づいて写真をとってやろうと、そっと近づく。Aodaisho2012062402 あまりに近づきすぎたのか、アオダイショウはくるりと向きを変えて逃げ出した。「お~い、まってくれよ~。写真撮るだけだよ~」と話しかけるも、すぐに草むらの中に消えていってしまった。

 道端の草にとまっているカノコガを見つけた。Kanokoga20120624 そういえば、このところ、こんな風な白黒の蛾が沢山ヒラヒラととんでいるなあ。たいていは、ウメエダシャクだ。梅の木のまわりに沢山。カノコガはウメエダシャクよりは小さいが、姿が良く似ている。似ているけれど、カノコガはカノコガ科、ウメエダシャクはシャクガ科で、まったく親戚でもなんでもない。他人の空似ということだろう。

 道端のヒメコウゾの木が鮮やかな実をつけている。Himekozo20120624 少し前は、モミジイチゴのオレンジ色の実がたくさんあった。モミジイチゴは食べるととても美味しい。ヒメコウゾの実はモミジイチゴよりも色が鮮やかで、さらに美味しそうに見える。実際、私も最初はその色にだまされて期待して食べてみたのだが、まったく期待はずれどころか、これは美味しくなくて、まいった。見かけ倒しということか。いや、美味しくないので見た目で誤魔化そうとしているのだろう。見た目に騙されて、ついつい食べてしまう。

 道端はホタルブクロでいっぱいだ。Hotaru20120624_2 ホタルブクロの季節がことしもやってきた。ホトトギスはあいかわらずトッキョキョカキョクと鳴きながら右へ左へと飛ぶ。その声がとても湿った色となり谷に響く。梅雨の真っただ中。しばらくは湿った季節。そうしてやがてやってくる賑やかな夏を待つ。

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2012年6月17日 (日)

梅雨の晴れ間

梅雨入りして、梅雨らしい天気がやってきた。音をたててパラパラと降る雨音を聴きながら眠るのは心地よいものだ。雨が降るとじっとしているしかなかった太古からの生命に刻まれた記憶がよびさまされているのかもしれない。

午前中、色々な用事を済ませ、午後すこしして散歩に出かけたら、日が差してきた。雨上がりの午後、むっと蒸し暑くなる。散歩道に出かけると、ホタルブクロが雨にぬれて、半透明になり、すっかり濃くなったまわりの緑を吸い込むようだ。Hotaru20120617 雨上がりの晴天は、植物にしみ込んだ水分が一気に蒸発して、緑の香りが強く漂う。湿った香り。これが私は好きだ。

子供たちの賑やかな声が聴こえる。網とバケツをもち、畦にいた男の子に話しかける。

「何かいたかい?」

するとドジョウがいたという。みると、水路に立派なドジョウが泳いでいた。Kodomo20120617

「ここでこのあいだカメがいたよ」

といって、携帯電話に取り込んでいた写真を見せる。

「すげ~」

と、子供たち。

自分の身長よりも長い網を持って畦を歩く子供たち。とても微笑ましい風景だ。そうやって泥んこになって遊ぼう。そうして遊んだ記憶はとても大切なものになるから。

やはり、アカガエルのことが気になる私は、ぐるぐると田んぼのまわりをまわる。ピョンピョンと跳ねる小さなアカガエル。このところ、茶色いアカガエルに混じって、緑のアマガエルの姿も多くなってきた。数でいうと、場所によっては半々くらいのところと、まだまだアカガエルが多いところと、アマガエルばかりのところ。

数が多いということは薄まるということにもなる。天敵はアマガエルだから食べる、アカガエルだから食べないということはない。どちらも同じように襲う筈だ。どちらか一方が極端に逃げ足が速いとか、極端に捕まえ辛いなどといった有利性を持っていれば、食べにくい方が多く生き残るということになろうが、ぱっと見た限りでは、大きさもすばしっこさもジャンプ力もほとんど差がないように見える。だから、お互いの数をプラスしてお互いの利益になっているのではないかと思う。そういうと、餌はどうなんだ?取り合わないのか?という人がいるだろうが、これだけ、踏みつけそうになる程のカエルが毎年上陸してやっていけているのだから大丈夫なのだろうと思う。それより、天敵の数を維持するにはこれでも足りているのかどうかわからない。そう思う。

アカガエルの産卵の時期は、どこにいくつ卵塊があって、それがその後どうなったかをずっと詳しく記録している。アマガエルのように、どの田んぼにもいるというわけではないアカガエルなので、たいてい「あそこの田んぼのあのあたりにいくつ」ということは、産卵時期ならば頭に入っている私である。ところが、今はもう、すっかりそんなこと忘れている。そんなわけだが、歩いていると目の前をチビアカガエルがピョンととぶ。それで「ああ、ここにいたんだな」と。Akagaeru20120617 カエルは本当にかわいいんだ。

道端のハナイカダはもうすっかり実をつけている。葉っぱから花が咲くなんて、なんとも妙な植物だけど、この不思議な姿に気付いている人がどれだけいるだろう。Hanaikada20120617 ホトトギスが空を右に左に飛びながら、「トッキョキョカキョク」と鳴く。その声は、谷にこだまする。音だけ聴けば、深い深い谷を感じてしまうかもしれないというほどに、きれいにこだまする。この声をきけば、ジメジメした梅雨。そしてやがて夏がやってくる。今年も同じように季節がめぐってきた。それでも、少しずつ少しずつ毎年違っている。

かつて暗い木のトンネル道だった、くねくね峠。一時期、木が伐られて明るくなったが、またまた暗いトンネル道になってきた。これから夏がやってくると、木陰は大変涼しくてありがたい。そう、梅雨時の蒸し暑さも、木陰はスーッと涼しくなるんだな。Kunekune20120617

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2012年6月 3日 (日)

自然は時々新しい引き出しを開けて見せてくれる

 土曜日の朝、何故か目覚めが悪く、なんだかゴロゴロしていたい気分だった。しかし、思うことはアカガエルたちのこと。彼らがどうしているだろうか?それだけでも見に行こうと思った。いつもの田んぼは稲が少し育ってきて、青々としてきた。Tambo2012060201畔を歩くと、いたいた、ちびアカガエルたち。かつての踏みつけそうになる状態まではいかないが、それでも、歩けばピョンピョンとはねるチビたちに会える。Akagaeru20120602 よく育ったね。自然の中ではいろんな天敵が いて、彼らを好物にしているものもいるから、餌になってしまうやつも多いだろう。それでも、しっかりと、ここで生きて、運がよければ生き延びられる。それが大事。

 最近、散歩道で色々な人と話をするようになった。畑や田んぼで作業をしている人。空き地で小屋を作っている人。アカガエルのことを心配してくれる人もいるし、カワセミやチョウゲンンボウといった鳥がどこそこにいたと教えてくれる人もいる。それぞれが、この場所の自然のことをしっかりと見ている。そして、私だけでは気付かなかったことも教えてくれたりもする。人々がこうして、身近な自然の中で、ここにある様々なものを見て、感じて、生活をしている。そうして、私もその一員としてここの自然を見て、感じて、愛している。それがうれしい。

 くねくね谷にいってみたら、ものすごい数のちびアカガエルに驚く。「踏みつけそうになる」といったが、まさにそうだ。これがその状態。気をつけないと踏んでしまいそうだ。膨大な数の彼らがここで命をつなぐことは、彼らを餌にするヘビや鳥といった生き物の命にもつながるし、もちろん、彼らが餌にする昆虫などの生き物ともつながっている。そうして、彼らはまっとうにアカガエルとして生きて、ここの自然の一員としてまっとうな一生を終えるのだ。

 
 このところ、私は「イネ科」の植物を調べている。道端に沢山生えているイネ科の植物。沢山の種類があって、どれも似ているイネ科。その一つ一つを見分けられるようになれば、また新たな発見があるかもしれない。そう思って調べているのだが、これはかなりの難関だ。その場で図鑑とにらめっこしながら種を判別しようとするのだが、そう簡単にはいかない。Ine20120602 そこで、代表的なものを持ち帰ってじっくり調べたりしている。とりあえず、カモジグサとアオカモジグサ、イヌムギにカニツリグサなどを見分けられるようになってきた。こういうものは最初は大変でも、コツがつかめたら、「顔が違う」と思うほどに簡単に見分けられるようになるものだ。なかなか難しいが、知れば知るほど、自然の奥深さがわかってくる。
 
 さて、翌日は雨が降るだろうと思ったので、午前中は家で過ごしたが、午後になって、雨が降るどころか晴れてきた。こうなっては、歩きたくなる。同じように、ちびアカガエルにあいさつしながら歩きまわっていると、道端でオレンジ色の蝶が飛んだ。鮮やかなオレンジ色に、最初はツマグロヒョウモンかと思った。ところが、少し小さい。そして、その蝶は草むらに止まった。

 アカシジミだ!!

Akashijimi2012060301  もう10年もここを歩いているが、初めてみる蝶だ。心が躍った。一生懸命カメラを向けて写真を撮る。草むらの中にいたので、足元の草を踏みつけて近づく。そっと近づいても、逃げることもなく、翅と翅を静かにこすり合わせている。その動きが面白いのでビデオカメラを取り出して撮る。そうして10分くらいこの蝶とたわむれていただろうか。近づきすぎて飛んで行った。アカシジミの食草はこのあたりに沢山あるクヌギやコナラ。だから、いても不思議ではないが、いままで一度もお目にかかったことがなかった。こうして出会えたことは、本当にうれしかった。

 しばらく歩くと、道端にまたオレンジ色の翅を見つけた。おや?アカシジミの翅だ。Akashijimi2012060302 何か天敵に襲われたのか?生きたアカシジミを始めてみたその直後に死んだアカシジミを見るとはなんてことだろう。今日は自然が「アカシジミがここにいるよ」と教えてくれた日なのだ。10年も歩いて、初めて見るものがある。ずっと見つめていれば見えてくるものがあるのが自然なのであるが、こんな不思議なこともあるものだ。自然は時々新しい引き出しを開けて見せてくれる。

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