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2012年5月 6日 (日)

さあ季節は始まった

 ゴールデンウィークも今日で終わり。毎年のことだが、散歩道の自然を見ていると、新緑が完全に出るのがゴールデンウィーク頃。早春の花も一気にゴールデンウィークを目指して咲く。ゴールデンウィークが終わる頃に、ほぼすべての春の花が終わり、季節は夏へと向かう。今年の生き物の季節の準備段階が一気に終わり、次の段階へと向かうのだ。生き物の様子も、そして、自然の中の音も、それを感じることができる。Tambo2012050601 繁殖期の賑やかなカエルの声が一段落し、少し落ち着くと同時に、トンボなどの昆虫が飛び交うようになる。そして、季節は夏へと向かう。

 アカガエルのオタマジャクシの様子が気になるので、放流している田んぼや水路、水たまりに向かう。すると、繁殖期の色をしたダイサギが田んぼで餌をとっていた。もしかしたら、私が放流したオタマも随分食べられたかもしれない。Daisagi20120506 でもまあ、それはそれでいいのだ。

 田んぼを覗くと、オタマジャクシは、すでに大きくそだったニホンアカガエルのオタマと、うまれたばかりのシュレーゲルアオガエルやアマガエルの小さなオタマが目立つ。とりあえず、ニホンアカガエルのオタマたちが元気でいることが嬉しい。

 私が放流を行っている水たまり以外のニホンアカガエルのオタマジャクシの様子が気になる。卵塊がいくつもあったけれど、その後、何度も水がほとんど涸れてしまった田んぼも、今は田植えが終わって水が沢山入っている。そんな田んぼの中を一生懸命覗いていると、なんとオタマが私に向かってやってきた。それも1匹だけではなく、何匹もこちらに向かってやってくるではないか。普通、オタマジャクシは、近づくと、いちもくさんに散り散りに逃げていくものだが、これには驚いた。しかも、みんなニホンアカガエルのオタマたち。Otama20120506 「ぼくたちはここにいるよ!」といわんばかりのその姿にビックリした。そうか、元気で育っているか。自然と接していると、こんな不思議なことにはしょっちゅう遭遇する。まったくの偶然と言えばそうかもしれない。それは、理屈で説明できるものではない。なんにも見ようとしない人、なんにも感じようとしない人には、まったく見えないものが、ずっと目を見開き、心を開いてみようとすると見せてくれる瞬間があるのだ。まさにその瞬間だと思った。

やや強い風が帽子を飛ばしそうになる。そんな中で、シュレーゲルの大合唱が続き、谷にはウグイスのさえずりがこだまする中。5月のひざしをあびて、田んぼの中を覗き込む私に、アカガエルのオタマジャクシたちが寄ってきてくれた。これは偶然であったとしても、私はこの瞬間を忘れないだろう。

 今日もまた、時間を忘れて、「あの場所のあの生き物は今頃どうなっているだろうか?」などと、すっかり顔なじみになった友人に一人ずつ会いにいくがごとく、くまなく歩き回る。水の入った谷津田のなんと美しいことか。Tambo2012050602 どんな著名な観光地に出かけていくよりも、私は身近なこの場所で一日を過ごす方が好きだ。

 歩いて、歩いて、歩いて、もう足が随分とくたびれた頃、ふと足をみると、コメツキムシがとまっていた。Musi20120506 私は追い払うでもなく、とまらせたまま歩く。虫もしっかりとつかまったままで逃げようともしない。「おやおや、どこまでついてくるの?」などと語りかける。コメツキムシのことを忘れてしまうほど歩いたころ、見ると、どこかに飛んでいっていた。

 目の前のアスファルト道路の上にまたまたクサガメを発見した。大きさや甲羅の状態からしておよそ3歳のクサガメだ。Kusagame2012050601 ぱっと見て、生きているとわかった。「こんなところに出てきたら危ないよ」と声をかけて、ひろいあげる。カメハ思いっきり首をひっこめる。Kusagame20120506001 しばらく、そっとしておくと、少しずつ首をのばしてくる。こいつは、もう随分と大きいので、生まれたばかりのクサガメのように、手足の爪の感触は、くすぐったいを通り越して、少し痛い。Kusagame2012050602 手足の力もそれなりにある。このくらいになるとしっかりと力強いのだ。

 私はこいつを近くの田んぼのほとりに連れて行って放す。「道路は危ないから、あっちにいっちゃダメだよ」と声に出してかたりかける。Kusagame2012050603 カメはおそるおそる首を出し、手足を出し、歩きはじめる。

 この地が彼らがずっと生きられる環境であることを願う。私は一言「長生きしろよ!」といって後ろを振り向きもせず、その場を去った。

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コメント

どんな著名な観光地に出かけていくよりも、私は身近なこの場所で一日を過ごす方が好きだ。

私も大好きですよ。五月の水はいりたる いいですね・・クサガメやコメツキムシ オタマジャクシ とりわけアカガエル 覚えているんですね〜小さいながら といってみたくなる光景です。 

投稿: せつぶんそう | 2012年5月13日 (日) 07時46分

やっぱり身近な自然が一番ですね。身近ないろんな生き物に触れ合って生活できることの幸せを感じます。

投稿: TAGA | 2012年5月13日 (日) 15時40分

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