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2011年2月27日 (日)

今年最初のアカガエルの卵をみつけた

昨日、期待に反して見つけることが出来なかったニホンアカガエルの卵。今日も、「どうせないだろう」などと、少し諦め気分で散歩道に出かけた私である。ただ、少しだけ、周辺まで細かく見てみようと思った。どういうわけか、いつも沢山の産卵がある田んぼや、田んぼのまわりは水はけがよくなったのか、水が涸れていることが多かった。これでは、アカガエルは産卵出来ない。何かが変わったのだろうか?それとも、人々が一生懸命排水しようとするからだろうか。

例年、もっとも早い産卵のある田んぼ、昨日はちらっと見て卵がなさそうだったので、あきらめた。今日は何故かもう少し細かく見てみようと思った。田んぼの畦をゆっくりまわっていたら、卵を見つけた。

「あった!」

Tamago2011022701 私は小さく声を出してつぶやいた。毎年、最初の卵を見つけたときはいつもこんな感じだ。「今日こそは」と期待して、さんざん探しまわったあげく、卵は静かに眼の前にある。それが、今シーズンの開始の合図だ。一つ見つけると、周囲にいくつかあるものだ。実際、そのすぐ近くに数個の塊があり、結局、6個の卵塊を見つけた。

この場所は、例年、散歩道の田んぼの中では最も早く産卵が始まる場所である。しかし、昨年は産卵が開始する頃に水の状態がよくなく、なかなか卵が見られなかった。そのことが頭にあったので、「どうせ今年もないだろう」という先入観で見ようとしていたのがよくなかった。自然観察には先入観は邪魔になる。今年は適度な水たまりがあったのだ。

Tambo2011022701 周辺をもう少し探索したら、別な田んぼに5個発見した。そこは、今まであまり産卵がみられなかった場所だ。一見、適度な水があり、条件が整っているように見える田んぼでも、まったく産卵が見られない場所がある。いや、産卵が見られる場所というのは、ごく限られた場所というべきだろう。その限られた場所を地図に書き込んでいたら、あることに気付いた。

「なるほど!」

これは、今年のシーズンのまとめとしていずれ発表したいと思っている。昨年の反省から、今年はとにかくちゃんと記録しようと準備をしてきた。そして、ようやく開幕だ。さて、これから、調べることがいっぱいある。やってみることがいっぱいある。新アカガエルプロジェクトのスタートだ。

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まだ始らない今年のアカガエルシーズン

数日前に雨が降り、その後一気に気温が上がった。条件的にはニホンアカガエルの産卵にはピッタリの条件だ。散歩道のアカガエルの産卵開始は、最も早い年では2月中旬頃、最も遅い年は3月中旬頃と開きがあるが、だいたい平均すると2月下旬から3月上旬である。これは千葉県では最も遅いほうだ。早いところでは1月下旬から産卵が始まっている。私の参加しているカエル研究者のネットワークでも、全国から産卵開始の知らせが続々ととどいている。そうなると、今か今かと気が焦る。そういうわけで、期待して散歩道に行ってみた。Tambo2011022601 しかし、卵を見つけることは出来なかった。それどころか、先週、あれだけ沢山あった水たまりの水がほとんど涸れかけている。雨は降ったが、量は少なかった。その後の高温は水を蒸発させたのか?

もっとも、今の時点でまだ焦ることはないだろう。この地の寝ぼすけアカガエルたちは、多少条件が整った日があっても、時期がくるまでは頑なに産卵しない。冬眠しているのだ。今までの経験からして、初めての産卵があって、一週間くらいでピークがくるが、その後もダラダラと一カ月くらい産卵が続くのが普通である。その時点で産卵に適した条件となっていればよいのだ。アカガエルもアカガエルで、産卵に適した条件になるまで待つのだろう。冬の乾燥した天候から、春が近付いて、雨の日が多くなり、田んぼの水が安定してくる時期まで待って産卵された卵の方がより生き残るとすれば、徐々に産卵時期の遅い遺伝子が増えていき、全体に産卵時期が遅くなっていくということも考えられる。

もともと、ニホンアカガエルがまだ寒い時期から産卵を開始するのは、その方が天敵が少ないから有利なのだという説がある。そういうこともあるのかもしれないが、もし、早くに産卵した場合には水涸れで死滅する確率が高くなるのであれば、丁度いいバランス、つまり、天敵に襲われて生き残れない確率と、水涸れで死滅する確率を掛け合わせて、最小になる時期に産卵した方がよいということになる。

単純に考えれば、そういうことなのだけど、これでは、この地に暮らす他のカエル、ヒキガエルや、アマガエル、シュレーゲルアオガエルといったカエルはどうしてそういうことにならないのか?といわれると、説明のしようがなくなる。

ヒキガエルはこの地では丁度、春分の日頃に一斉に産卵する。そして、わずか1か月ほどでまだごく小さいうちに上陸する。これはこれで一つの戦略なのだろうと思う。ヒキガエルのヒモ状の卵は多少流れがあっても、草などに引っ掛かり、流されることもない。

シュレーゲルアオガエルはもっとずっと遅く、4月に入ってからの産卵だ。泡状の卵を土の中にあけた穴の中に産卵する。

カエルと一言で言っても、産卵一つを見ても、それぞれに違った生き方をしている。それが一種の多様性の表れである。ひとくくりに、「よい環境」といっても、それぞれの生き物にとってのよい環境が違うのであるから、一つの尺度なんかで測ることは絶対に出来ないのである。そういうことを自分の眼で見て、どういうことなのか知ることなしに、自然を守ることはできないと思うし、実際の観察なしに、「頭で考えたこと」「誰かが言っていたこと」だけで、自然に改変を加えることは、うまくいく筈はない。

去年、散歩道のニホンアカガエルの産卵数は一気に減少した。およそ前年までの1/10まで減ったのだから、尋常ではない。毎年、それなりに観察してきた私には、それがここ数年間の水涸れに起因しているように思えた。ただ、それを本当に確かめるには、もう少し詳細な観察が必要であった。以前、数年間にわたり、アカガエルの産卵から上陸までを観察した「アカガエルプロジェクト」で、私は沢山のことを学んだが、その後、観察が少しおろそかになっていた。だから、急に1/10に減った産卵数を見て、何かしようと思った時、もっと詳細に記録しておくべきことがあったと悔やんだ。だから、今年は、少し詳細に記録できるよう、準備を進め、すでに開始している。今年こそがアカガエルプロジェクト元年だ。

この地のニホンアカガエルが、今、絶滅の危機にあることを、昨年あたりから強く感じるようになった。それをなんとかしたい。そして、どうしてそんなことになっているのか?どうすれば絶滅させないで復活させることが出来るのか、私は試行錯誤しながら、そのことをしっかりと記録していきたいのである。

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2011年2月16日 (水)

散歩道プロジェクト8周年

つい先日、2月13日に千葉市文化センターで講演会をやった。もともとは、岩瀬徹先生の講演会をやろうということで企画していたのだけれど、会場が長時間借りられるということで、「じゃあついでに私もやりましょうか」ということで決定した。

内容は、今まで地元公民館や中学校などでやってきたものの集大成となった。散歩道プロジェクトの8年間の蓄積を皆さんに見てもらいたいという一心でもあった。岩瀬先生の講演目的で来る方も多い中、どれだけ私の話しがウケるのか、少し心配もあったが、おおむね好評だったので、ほっとしているところだ。

そう、散歩道プロジェクトは8周年を迎える。8年前のあの日は小雨が降っていた。何を思ったか、私は小さなカメラを持って家を出たのだった。Sampomichi_camera01 私の大好きな散歩道の自然がどんどん小さくなっていく、そのことを何年も憂いてきた。豊かな自然の残る里山。広大な里山はどんどんと切り取られ、均一な都会になっていく。自然は一旦全て砂漠状態にリセットされて、宅地造成がどんどん進む。しかし、人が住む様子もなく、ただ破壊だけが進む。それでいて、世の中は得体のしれないエコや環境ブーム。そんな中で、自然を破壊して公園を作り、土の水路をコンクリートで固め、それをボランティアと称してドブサライをする。そして一時的に綺麗になった水路を見て、環境に良いことをしたと思ってしまう人々。もともと棲んでいたカワセミは行き場を失うかと思いきや、餌付けをして、写真を撮る人々。カワセミを見て、自然が豊かだと思いこむ人々。そんなどうしようもない実態をなんとかしたかった。しかし、何もできずに何年も過ごしてきた。

ふと思いついた。そうだ、この場所の自然のことを多くの人に知ってもらい、ここに何があるのか、ありのままの自然はどうなっているのかを見てもらおう。そうすれば、少しは何かが変わるかもしれない。そう思ったのだ。それから8年。私は来る日も来る日もここを歩いて写真を撮り、感じたことを記録し、自然について考えてきた。

今、私は恵まれていると思う。公民館や学校で、この場所で私が見てきたものを多くの地元の人に見てもらう機会を得てきた。今回は、地元を少しだけ離れて、多くの人に見てもらう機会も得た。これを自分のライフワークとしてこれからも続けていこう。これは私の散歩道だけの問題ではない。日本中のいたるところで、同じことが起きている筈だ。それはどうしてなのか?どうして人々は自然に向き合えないのか?全く自然と向き合うこともなく、おかしなエコや環境ブームにのせられて、おかしなおかしな方向に向かう人々。それを私はなんとかしたいのだ。自分が向き合ってきたありのままの自然を見て、感じてもらうこと。そして、自ら、もっと自然と向き合うこと。8周年に私の思いはさらに強くなった。Sampomichi

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2011年2月12日 (土)

淡い雪の散歩道からアカガエルの産卵時期に向けて

雪が降った。昨日は一日中雪が降り続いた。しかし、降った割にはほとんど積もらなかった。千葉で雪が降ることは年に数度。積もることといえば、年に一度あるかないかである。そういうわけで、積雪の散歩道の写真は数少ない。それはとても面白いものである。Sampomichi2011021201 雪の上には無数の足跡がある。大きくて目立つのはノウサギの足跡。小さな猫の足跡もある。ハクビシンの特徴的な足跡、人間の足跡もある。などなど、生き物の足跡がはっきりと見えるのがとても興味深いものだ。

Sampomichi2011021202 しかし、今日のこの状態では、そんな足跡もほとんど見ることができない。ちょっと残念だ。歩くと、まわりの木々からポツポツ、ザアザアと雪がとけて落ちてくる音がする。時折、大きな塊がザザッと落ちてくる。

乾燥した冬がやがて春になっていく。冬の深く青い空から、春の霞んだ空にかわっていくこの季節。およそ8年前の今頃、私は一人カメラを持って家を出て「散歩道プロジェクト」を始めたのだった。それがこんなに続くとは思わなかった。そして、この時期は、毎年、アカガエルのことで頭がいっぱいになる時期だ。

Sampomichi2011021203 田んぼの水たまりを見て、「ああ、このくらいの水の量なら大丈夫そうだ」とか、「今年はここはダメだ」とか、そんなことばかり考えながら歩く。もう少しすると産卵の季節になって、雨の降った翌日の気温の比較的高い夜は産卵が気になる。

数年間にわたって安定して、アカガエルの産卵に都合のよい水の量があった田んぼは、毎年少しずつ産卵の数が増えてきて、条件の良い日には、無数のアカガエルたちがカエル合戦を繰り広げた。しかし、その田んぼも条件が変わっていき、数年間水が涸れるようになっていた。すると、昨年、産卵数が一気に激減した。このことに、とても危機感を感じた。一時期、熱心に記録していた産卵数の記録も、途絶えていたことを悔やんだ。昨年は危機感を感じて、水が涸れそうになっているアカガエルの卵やオタマジャクシを持ち帰り、田植え前の水が安定するまでの間、家で育てることもやった。しかし、上手くいかないこともあったし、そもそも、そういう活動が本当にアカガエルの危機を救っているのかどうか、正確な記録がないので判断のしようがない。

そういう昨年の反省を踏まえて、今年もそろそろ準備を始めようと思う。今年が本当の意味でのアカガエルプロジェクト元年になるように。

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