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2010年2月28日 (日)

2010年アカガエルシーズン到来

2月に入り、寒い日が続いていたが、数日前から急激に暖かくなり、春一番が吹き、雨も沢山降った。こうなると、アカガエルの産卵が始まるには絶好の気候とタイミングである。

何度か、ここに書いたが、散歩道のニホンアカガエルの産卵は、千葉県では最も遅い部類に入る。千葉県で最も早いところでは、1月から産卵が始まるところがあるが、ここでは早くても、2月の最終週くらいからである。数年前には、2月の終わりに絶好のコンディションがやってきて、夜の散歩道は物凄い騒ぎだったことを思い出す。

今年も、同じような気象条件がやってきたから、これはさぞや沢山産卵しているだろうと期待して散歩道にいってみた。しかし、去年、最も多く産卵が見られた場所には、卵がなかった。Tambo2010022701 おや?どうしたんだろう?と、一瞬思う。今年はつい先日まで雪が降るような寒さだったから、それが影響しているのかもしれない。急に暖かくなったからといって、アカガエルは急には目覚めないのかもしれないな。そんな風に思って、少し歩くと、そこから少し離れた場所で卵を見つけた。

Tamago2010022701 この状態だと、産みたてではない。数日から1週間くらいは経過している状態だ。この場所は毎年、最も多くの卵が産みつけられる場所である。ピーク時には卵の上に卵が折り重なっている状態になる。狭い範囲に100個くらいの卵塊がみられる場所だ。

先ほどの、卵が見つけられなかった場所も昨年は多くの卵塊がみられた場所であるが、春先に水が涸れ、ほとんど全滅してしまったのである。

さらにいくと、卵塊は他の場所でも見られた。Tamago2010022702 アカガエルは、雨が降ったあとに産卵が多くみられるのであるが、雨が降ると、田んぼという田んぼはどこもかしこも水浸しになる。ということは、一見して、どこもかしこも産卵に適した場所のようになる(少なくとも人間の眼で見る限り、同じような水溜りにみえる)、しかし、産卵する場所というのはたいてい決まっていて、比較的、水が涸れずに残る場所なのである。アカガエルの産卵の様子を見るとわかるが、彼らは、あちこち移動しながら産卵場所を求めているように見える。そして、産卵場所として選ぶのは、水が涸れない場所であることが多い。特に、そのシーズンで最初に産卵する場所は、オタマジャクシの生育に最も適した場所であるように思う。

先の、今年、産卵がまだみられない水溜りは、一昨年までは、本当に産卵に適した場所であった。しかし、昨年は途中でほとんど全滅した。同じように、数年前までは、とても産卵に適した場所であって、数百個もの卵塊がみられた場所が、その後、環境が少しかわり、産卵しても育つことが難しい場所になった。そうして、今は、ほとんど産卵がみられない場所にかわっている。環境によって(多くは水が涸れるかどうかということであるが)オタマジャクシがしっかり生育する場所と、途中で死滅してしまう場所があり、そのことが産卵にも影響を与えているように思えてならない。

アカガエルは、約1ヶ月の間、ダラダラと産卵が続く。産卵のピークは実際には2度あるように思う。1度目の最初に産卵する場所が、もっとも生育に適した場所に思えるのは偶然ではなかろう。最初に産卵するということは、それから上陸するまでに、最も長い期間、水が絶えることがなく、ずっと生育に適した環境であることが必要だからである。

長年の観察で、なんとなく、そういう法則が見えてきた気がする。他にも、色々面白いことに気付き始めた。そういうことを一つ一つ、科学的に見ていくことが出来れば、ニホンアカガエルの生活の謎を一つ一つ解明することができるような気がする。これは私のライフワークかもしれない。そのために、もっとちゃんと観察していこうと思う。そういう観察によってのみ、我々は自然を理解することができる。答えはどこかにあるのでも、考えてわかるのでもなく、そうした地道な科学的な観察によってのみ得ることが出来るものだと思う。

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2010年2月17日 (水)

散歩道プロジェクト7周年

あまりの忙しさに、すっかり忘れるところだったが、昨日で散歩道プロジェクトは7周年を迎えた。7年前のあの日は雨だった。その最初に撮った写真から、私の生活は変わっていった。そして、いまや、私の生活は散歩道プロジェクトなしでは考えられなくなっている。Sampo001思いは強かった。なんとしても、この散歩道の現状を、ここが消えてなくなる前に多くの人に知ってもらいたい、多くの人に、今、そこで何が起きているのかをわかってもらいたい、そういう思いだ。

Sampo002 それは、一つのギャップである。私が砂漠と呼んだ場所。砂漠という例えに、嫌な感情を持つ人もいるだろう。だが、当時の私にはそれが、砂漠を作り出しているように思えたのだ。 その砂漠と、散歩道は隣接している。そこに明らかに大きなギャップがある。それは、自然環境のギャップだけではない、人々の生活や、自然へのかかわり、自然を見る眼、といったものにギャップを感じるのだ。一度、散歩道から砂漠に向けてあるいてみて欲しい。そうすると、ある地点から風景が変わると同時に、音風景もガラリとかわる、歩いている人々、走っている車、そういったものがまったく別の国に来てしまったかのようにかわるのだ。そのギャップの向こう側にあるものが、散歩道にも押し寄せてくるように思えた。そのことが、私の心を動かし、この7年間の活動となっている。これからも、私を動かし続けるだろう。

散歩道は7年間でゆっくりと変化していった。消えてなくなるかに思えたものは、ほとんど消えることはなかった。しかし、砂漠の変貌はすさまじいものがあった。

Samponow そういう変化をさも当たり前のことのように思い、何も見えないか、あるいは、そこで何かを感じるか、そこには大きな違いがある。また、変化した後では、かつて、そこに何があったのか、想像も出来なくなる。失ったものは何なのか、私達はいったいどこに向かうのか?そんなこと考えも及ばなくなる。

そちら側から見ると、散歩道は「何か特別な場所」のように感じるだろう。だが、散歩道から見ると、それはまったく逆なのである。両方を行ったり来たりすれば、それは、ずしんと心に来る。

この7年間で、随分と「自然環境を守る」ということが市民権を得て、いまや、世の中は「エコ」が当たり前である。しかし、それはいったい何なのか?私達が自然を破壊して失っているものは一体なんなのか?守るべき自然はどこにあるのか?それを見ずに、自然が守れるはずはない。いったい、私達は、自然とどうかかわって生きていけばよいのか?私はそんなことを数限りなく考えつつ、7年間を過ごしてきた。いまの日本、いまだにおかしなことが多すぎる。7年間で自然に対する人々の考え方なんて、ほとんど進歩していない。だから、行動なんて進歩するはずもない。

Sabaku 私が砂漠と呼ぶこの地、このさらさらの砂はいったいどこから来たのか?そして、こういうことがどんどん進行するとどうなるのか?そのこと一つとってみても、ほとんどの人の目には何も見えていない。Sabaku2 私はその両方を歩き、感じ、考え、そして、ほんの少しでも、散歩道プロジェクトを通して、人々に何かを感じてもらい、考えるきっかけになって欲しいと思う。私の散歩はまだまだつづく。私は感じつづける、考え続ける、歩き続ける。

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2010年2月 7日 (日)

雪が降った後は

先週、久々に雪が降り、わずかながら積雪があった。雪の日に散歩道にいってみると、動物の足跡がみつけやすいので、面白いものだが、今年は、散歩道にいく前に雪が消えてしまった。今はすっかり雪は解けているが、田んぼの水溜りに雪の痕跡を見ることができる。Tambo20100207_2 つい先日までは、ほとんど雨が降らず、乾燥してカラカラだった田んぼの土に、大きな水溜りが出来ている。水はけの悪い田んぼでは、ずっとその水が残る。この状態だと、アカガエルにとっては絶好の産卵場所となる。ただ、問題は、その水がずっと涸れずに残るかどうかだ。多くの水溜りは、日照りが続くと乾いてしまう。産卵してしばらくの間は、ある程度までは乾いても、ゼリー状の卵塊が水分を含んでいて、そこでオタマジャクシが育つことができるが、カラカラに乾いてしまったら死んでしまう。オタマジャクシがある程度大きくなれば、水のあるところを求めて移動も出来るし、オタマジャクシが集団で穴掘り行動をして、水たまりを確保しようとする。

日陰の水溜りは、今は昼間でも氷がとけることがない。Mizutamari20100207 凍っていたら、当然ながら、産卵も出来ないのだけれど。

すでに、近くで産卵が始まったところもあるようだが、この谷津田はずっと遅くなる。気温、水温が低いからだろう。まだまだ、こんなに凍っているのだから。

ああ、また、アカガエルのことを考えている。そうやって、この時期に田んぼのまわり、水溜りを確認し、ここは産卵に適するだろうとか、そんなことを、アカガエルのようになって考えている。ただ、この時期の田んぼのまわりは気をつけないと、足元が危うい。以前、足を滑らせて転んでしまったこともある。

夜の間に、大きな霜柱が成長し、それが昼間に解けると、どういう状態になるか。それは、土と水がうまい具合に混ざり合い、とても柔らかな粘土が出来るのだ。歩くと、靴底に土がどんどんついてきて、そうなると、土の上に土の靴をはいて歩くことになるから、滑りやすいこと、この上ない。気をつけよう。

そうだ、もうじき散歩道プロジェクトは7周年を迎える。

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