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2009年2月21日 (土)

春の始まり

昨日はザアザアと雨が降った。その後、北風がビュンビュン吹いた。日差しには春を感じるものの、北風が寒い。でも、散歩道は春の明るさ。ちょっとだけワクワクする。Sampoent20090221

散歩道に入っていって、一番最初にチェックすることがある。それは、散歩道の入り口の近くの松の木の下をチェックするのだ。

ここの松には夜な夜なリスがやってくるようで、時々、リスが松の実を食べた跡、いわゆるエビフライが落ちている。今日も新鮮なエビフライが落ちていた。Ebi20090221

エビフライはかなりの頻度で落ちているが、毎回というわけでもない。この道は綺麗に掃除されているようでもあり、また、風で飛ばされるということもあるだろう。私はこのエビフライを落とす主にはここで会ったことはないが、これを見るたびに、いつか会いたいと思う。

雨が降った後でもあり、田んぼには豊富に水があった。Tambo20090221

これだけの水があれば、アカガエルが産卵するには困らないだろう。もっとも、ここのアカガエルは以前書いたように、ずいぶんとネボスケである。私はこの田んぼとそのまわりの水路をくまなく探したが、どこにもアカガエルの卵がない。ちょっと残念な気もするが、でも、そうであれば、今年も産卵を見るチャンスがあるということだ。

田んぼのまわりには、オオイヌノフグリやヒメオドリコソウがもう咲いている。Ooinu20090221

この時期のオオイヌノフグリは青色が濃く、鮮やかだ。

そして、しばらく山の中を探検した。先日からノウサギの写真を撮ろうとしている場所にいく。藪の中を走るノウサギの後姿を見て、ここにノウサギが出没しているだろうという私の予想が当たって嬉しかった。ノウサギはそろそろ繁殖シーズンになり、走り回る。そうなれば、遭遇するチャンスも多くなる。

散歩道の日当たりの良い田んぼが、丁度いい具合(丁度いい具合というのは、アカガエルの産卵にとって丁度いい具合ということだが)に水をたくわえていたので、もしかしたら、と思って、田んぼのまわりをグルッとみてまわる。「まだ、ないかな?」「いや、あったあった!」Tamago20090221

アカガエルの卵だ。よくみると、卵の黒い部分が少し長細くなっている。これはもう産卵されてから1週間くらいたった卵だ。先週気付かなかったのは、私は「まだない」という先入観で見ていたからだろうと思う。

春は始まった。

今年はどんなドラマを見せてくれるのか。

花粉症の花をグスグスいわせながら、私はなんだかワクワクしてきた。毎年のことだけど、季節の始まりはワクワクする。

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2009年2月16日 (月)

散歩道プロジェクト6周年

今日は、散歩道プロジェクトの誕生日だ。6年前のあの日、私は何を考えたのか。思えば、その前日の夜にテレビで「もののけ姫」を見たことを覚えている。6年前の2月16日は雨の降る日だった。そして、デジカメ一つもって出かけて最初に撮った風景はこれである。Sampo20030216

これが、私が言うところ、砂漠エリアの6年前の姿である。これは6年前の姿だが、今の散歩道エリアと続くこの場所に、これ以前に何があったかは想像がつくだろう。私はその記録をとっていなかったことをとても悔やんだ。でも、それならば、このあとをずっと記録していこうと考えた。それが散歩道プロジェクトである。

それから週末のたびにカメラを持って歩く日々。最初は、家族も、まわりも、いったい私が何をしようとしているのかわからなかったと思う。でも、とにかく、何かに突き動かされていた。ここにある自然の素晴らしさを信じ、自然の営みの凄さを信じ、見つけたものを全て記録するのだという気持ちだった。誰も気付いていないからダメなんだ。誰もその貴重さ、素晴らしさに気付かないから、平気で失くしてしまうんだ。その思いが、来る日も来る日も私を歩かせた。それは、一つ一つ石を積み上げていくがごとくの作業であった。最初はなんにもない。少しずつ少しずつ、「散歩道日記」という形で石を積み上げていったのだ。Kunetoge20030223_2

やがてそれは、図鑑や物語へと発展し、このブログへと繋がる。

そうして発信していたことが、何人かの人の目にとまり、人との繋がりができた。一緒に歩いてくれる人、新しい発見をして教えてくれる人、地域の小さな新聞に記事を載せてくれたり、講演会を開いたりしてくれる人もいた。

去年、あるところで講演会を開くことが出来、そこに参加した人からこんな感想をきいた。

「私はこの地にきて数十年になるが、今までここは何にもないただの田舎だと思っていた。しかし、こんなに素晴らしい自然があって、足元にこんなに知らないことが沢山あると知って驚いた。これからは、散歩をしても見る眼が変わるだろう。」

これこそ、私がこの散歩道プロジェクトを通して、このまわりで暮らす人々に知って欲しかった、気付いて欲しかったことだ。

私が最初にやろうとしたことは、6年間で少しずつ前進してきた。だが、まだまだ私にはやりたいことがある。時にはしんどいこともある。でも、これだけは何があってもやりとげようと思う。ずっと見つめ、考え、発信しつづけること。それが私を少しずつ育ててくれる。

愛する散歩道と、散歩道プロジェクトで繋がりの出来た多くの人々に感謝しつつ。

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2009年2月15日 (日)

ねぼすけアカガエルの遺伝子

うちの子供たちは、ねぼすけである。目覚まし時計がけたたましく鳴っているのに平気で寝ていたりする。特に、次女などは放っておくと、いつまでも寝るのではないかと思う。これは遺伝なのだろうか?私も子供の頃は朝起きるのが苦手な方だったかもしれないけれど。

金曜日に春一番が吹いて、昨日は夏日になろうかというとても暖かい気候。今日も暖かかった。こんな気候の中を歩いていると、春の野草が花を咲かせているのではないかと、探してしまう。まあ、さすがに数日暖かい日が続いたといって急に花が咲いたりするものではない。

年によって、多少の差はあるけれど、全体として温暖化は確実に進んでいることを実感する。もう10年以上前から、毎年、冬が暖かだといい、これは温暖化だと、みんながいう。それ以前は、単に「暖冬」といっていた。地球規模の温暖化などという認識はなく、「たまたま」なのだといっていた。

暖かくなれば、それにつられて出てくる生き物も沢山いる。それは散歩すればすぐにわかることだ。昨日、今日は、少ないながらも、シュレーゲルアオガエルやアマガエルの声がきこえていた。彼らはこの暖かさにつられて冬眠から覚めたのだ。

ところが、アカガエルはどうか?この暖かさ。雨も降ったのだし、産卵があってもよさそうである。私も、これだけ極端に暖かいのであれば今日あたり、アカガエルの卵がどこかにあるのではないかと期待して探したのだ。ところが、みごとなまでの沈黙。まったく見当たらないのである。Tambo2009021501

いままでの観察で、ニホンアカガエルの産卵がもっとも早かったのが2月24日頃。これは千葉県ではもっとも遅い部類である。今年も、すでにあちこちからアカガエル産卵の便りが届いている。そうなると、毎年焦るのだ。なぜ、うちの方はまだなのかと。今年は全国的にやや早目の産卵のようである。

これだけ暖かいのであれば、目覚めてもいいようなものだが、まったく気配がない。ここは谷なので、周辺の他の場所に比べて水温や地温が低いということがあるのかもしれない。でも、昨日のような雨が降ったあとの25℃に達しようかというような気温となれば、気温、地温だけを考えれば条件は揃っているはずだ。

私が思うに、この地のアカガエルたちは「ねぼすけ」なのだ。いくら暖かくなろうとも、まだ「寝足りない」のではないか?もともと、水温、地温があがるのが遅く、また、田んぼに水が入る時期も遅いこの地。早起きのアカガエルがいたとして、早く産卵してしまっても、育つことが出来ない。ねぼすけカエルが遅く産んだ卵の方が、安全に育つとすれば、だんだんと、ねぼすけ遺伝子が蔓延して、この周辺のアカガエルはねぼすけだらけになる。これを確かめるのは大変なことだが、私はなんとなくそんな気がしている。

Tambo2009021502 そもそも、アカガエルは何故まだ寒いこの時期に産卵するのか?よく言われることは、天敵がいないうちに育ってしまうため、だという。ただ、このことには若干疑問が残る。

アカガエルが上陸するには3~4ヶ月かかる。したがって、水の中で5月から6月くらいまで過ごすのである。天敵が少ない時期というのは最初の1ヶ月かそこらである。実際に見ていると、アカガエルのオタマは最初に1ヶ月くらいで急激に数が減り、それから、さらにだんだんと数が減っていく。むしろ、他に餌のないこの時期に、サギなどにとっては、アカガエルのオタマジャクシは貴重な餌となるのである。

それに、上陸したからといって天敵に襲われにくいわけでもなく、丁度、ヤマカガシなどの大の天敵が冬眠から覚めるころに上陸するのであるから、危険極まりないのである。むしろ、2月あたりに産卵するというのは自ら危険をおかしているとしかいいようがない。

私はむしろ、これは水の事情があるのではないかという気がしている。アカガエルの卵はさらさらの丸い形であって、流れがあるとすぐ流される。オタマもほとんど流れにさからって泳げない。まだ、雨が少なく、水の流れの少ないこの時期が彼らの生息に丁度よいのではないか?そして、雨が多く、水量が多くなる梅雨が始まる前に上陸する。そうだとすれば、かれらのダラダラと1ヶ月~2ヶ月近く続く産卵も、納得がいくし、ねぼすけだって、条件があえば生き延びやすくなる。

生き物が生存するために、天敵から逃れることは確かに大事だが、天敵は何も生き物だけとは限らない。天候も天敵と考えるべきだ。それらから逃れられたものが生き残り、生き残った条件が遺伝子に残っていく。ねぼすけ遺伝子だって、大事なのだ。

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2009年2月11日 (水)

今年のアカガエルはどんなシーズンになるのか

思い起こせば、散歩道プロジェクトを始め、カメラをもってここを歩き始めたのは2003年の2月16日。もうすぐ6周年になる。この季節に始めたということは色んな意味で強く影響を与えている。その時は、そんなことは考えてもみなかったが、直後にニホンアカガエルの卵塊を見つけ、私のニホンアカガエルの観察が始まった。最初に卵を見つけた場所をアカガエルの沼と名付け、散歩に出掛けるときは必ずアカガエルの沼に寄って、その成長過程を観察するようになった。Tamago20030309

この写真はその時に見つけた卵だ。ニホンアカガエルがどんなところに産卵するのか、彼らにとって、どういう環境がよいのか、それを調べようと思って、翌年からはアカガエルプロジェクトを立ち上げた。

くる日もくる日もアカガエルを見つめる日々。そうして、ニホンアカガエルについての色々なことがわかってきた。

産卵の様子を実際に見るのは、それから少し時間がかかった。

アカガエルの産卵は、毎年同じではない。遅い年もあれば早い年もある。気温も大事だが、気温だけではない。雨が大事だ。しばらくの間、気温が高い日が続き、ザッとまとまった雨が降る。そして、雨が降っても気温が下がらない夜。これが大事だ。しかし、本当に微妙なのだ。今までどれだけ空振りしたことか。産卵が行われているかどうか、真っ暗な夜の田んぼをくまなく探しまわる。そして、産卵が行われていないことにガッカリして帰る。そんなことを何度も繰り返した。そうして、産卵日がある程度予想できるようになってきた。だが、まだわからないことが沢山ある。

「今夜こそ!」と思って出かけてみても、田んぼは静まりかえっていて、カエルの姿がまったく見えないことがある。自然のことはなかなか予想が出来るものではない。どういうときに出てくるのか、その条件をアカガエルにきいてみたいものだと思うが、それが出来ないのだから、経験からあれやこれやと考えをめぐらせるしかない。いろんな仮説を立てて、それを一つ一つ検証していくしかない。

田んぼの様子も毎年変わる。水が豊富な年もあれば、ほとんど干上がっている年もある。今年はこれまで比較的雨が多いので、水は豊富にあるようだ。Tambo2009020701

産卵が始まるまで、この状態が続けば、ここで多くの産卵が行われるだろう。しかし、それが育つためには、この田んぼに人が水を入れるまでの間、ずっと水が涸れないことが必要だ。

気象状況は刻々と変わる。だから、今、雨が多くても、それがずっと先まで続くとは限らない。豊富な雨で水を多くたたえていた田んぼも、産卵が終わったあと、まったく雨が降らずに干上がることもある。

Tambo2009020702 水路はずっと水をたたえているので、水路に産卵された卵は安泰であることが多い。しかし、意外なことに、日照りが続くと、水路の一部も干上がることさえある。

また、水路に産卵された卵は、あまり雨が多いと、流されてしまうことがある。

Tambo2009020703 今年はここまでは田んぼの水が多いので、去年のように、アカガエルが産卵場所に困るということはなさそうだ。

今の季節の私の散歩時の最大の関心事は田んぼの水だ。まるで、自分がニホンアカガエルになってしまったかのようだ。いまや、この散歩道の田んぼや、その周辺の水路は、数少なくなってしまった貴重なアカガエルの楽園だ。田んぼはあれど、水辺はあれど、これほどのアカガエルが育つ場所はもう貴重なものになってしまっている。そこで観察を始めることが出来た私はラッキーというものだろう。しかし、であればこそ、しっかりとアカガエルを見つめたいと思う。

今年は、もう一歩、アカガエルが感じているであろうことを、調べてみたいと思っている。私はすっかりニホンアカガエルに魅せられてしまったのか。私の一年の半分はニホンアカガエルとともにある。とにかく、もうじきシーズンがスタートする。今年はどんなシーズンになるのか。

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