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2009年1月25日 (日)

五感を延長する

去年の暮れからずっと考えてきたことがある。いや、もっと前からなんとなく考えていたことなのだが。

散歩道プロジェクトを始める時、この場所と、それをとりまく人々の自然に対する考え方は危機的な状況に思えた。だから、私はこの場所の自然の本当の姿、私が感じたままの姿を、多くの人に知ってもらうこと、そして、人の心に何かしら感じるものを残すことが出来るならば、何かやってみよう。そう思ったのだった。それから、カメラを持って出かける日々。もう、何百回歩いたか、数え切れない。撮った写真はすでに7万コマを超えようとしている。

Akanuma20090125 そうして、少しずつ、この散歩道を通じて、人々との繋がりが出来、ささやかながら、私の見たもの、感じたこと、考えたことを、伝える機会にも恵まれてきている。それが私の目指してきたものであり、私のライフワークだと思う。だから、これをどんどん進めていきたい。しかし、同時に、以前のように何も考えず、ただ、この場所に溶け込み、自分がここで生きていること、自分のまわりの自然がここで生きていることを、ただ、まっすぐに感じることがだんだんと少なくなってきたような気がしていた。今の、私の観察の一部は、いまや、人に見せるためにあり、それは自分自身の研究であると同時に、それは、人にどう見せるか、ということを常に意識したものになりつつある。そればかりに意識を集中していると、私がここで何を感じてきたかという、初心の部分にたどり着くのが難しくなってくる。ただ、この自然の中で起きている出来事に、驚き、感じ、自分がともにこの時間の中でいきているんだという意識がだんだんと遠のいていくのをなんとなく感じていた。

Sampo20090125 自然を感じることは、インスタントに出来るものではない。自分を長い時間自然の中に置き、自然の呼吸というものを感じ、時間の流れを、自分の本能で感じること。その時に「見える」もの。自然は恐ろしくもあり、気が遠くなるような深い世界を見せてくれる瞬間がある。これが大事だと思う。だが、それには、日常から離れ、一人で自然に溶け込むことが必要なのだ。実際、私はその感覚を忘れつつあった。

ある日、考えた。どうして、人に見せることばかり考えなくてはならないのか?それでは、自分が感じて、考える時間がなくなってしまうではないかと。いや、そうではない。私はこの場所の自然観察のパイオニアとして、自然をしっかりと見て、見たものを「伝える」ことが散歩道プロジェクトの使命ではないか。「伝える」ためには、それを正しく「見る」こと。人の心にうったえるためには、その「見たものを伝える技術」を磨くこと、これが私には必要なのだと。いつか、そう考えたのではなかったか。私はいままでここにある自然がまったく見えていなかった人に、何かしらのものを感じさせることが出来るようにしたいのではないか。それが散歩道プロジェクトの原点ではないかと。

五感を使い、自然を感じ、自然に溶け込み、自然を見る。これが自然観察の原点だ。しかし、人間である私、時間の制約のある私には限界はある。それでは、五感を少し延長すればよいではないか。人間は道具を使って五感を延長する。望遠鏡や双眼鏡を使って遠くのものを見るごとく、人間は様々なものをつかって自分の身体の限界を超えてきた。そうすることによって、見えなかったものが見えてきた。そうだ、私は自分なりに色んな方法でこれをやってみるべきなのだ。

何も見ていなかった時から、よく注意して見るようになった時に、ぐっと見えてきたものがある。ぐっと感じるようになったものがある。そのことを、またやればいいのだ。新たな五感を手に入れれば、また「見える」ものがある。そうしたときに、いままで感じることの出来なかった世界を感じることが出来るのではないか。これが、今年の最初に考えたことである。

Tahibari20090125 今日、そうして一歩踏み出した。一度歩みはじめれば、いろんな方向に道が続いている気がした。

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2009年1月17日 (土)

今年も歩こう

気付いてみれば、年が明けて初めての散歩道ブログの更新だ。正月三賀日は帰省先で過ごした。4日に今年最初の散歩をし、神社にお参りした。そして、今年も元気で散歩できることを祈念した。が、長女は直後にインフルエンザでダウンした。長女が回復した頃、私はインフルエンザではなかったものの、風邪で発熱し、寝込んだ。そんなことがあって、今日、今年2度目の散歩だった。今朝も冬晴れで、空気が澄んいた。散歩道は霜で真っ白だ。Sampoent20090117

朝の散歩は気持ちよい。谷津田の空気はとてもひんやりとしている。そして、朝の香りがする。

散歩道の入り口では、まんまるお腹のツグミが出迎えてくれた。Tsugumi20090117

今は、ツグミがいたるところにいる。トコトコと歩いては、あたりを見渡し、また歩いてはあたりを見渡す。私はツグミがとても好きだ。

朝の田んぼは、太陽が出ると、日のあたる斜面から徐々に湯気が出てくる。日のあたりはじめた谷の奥は湯気がたって真っ白になる。そこに、斜面林の木の間から差し込む日差しが白い帯になって見える。Hikari2009011700

ちょっと神々しい風景。そして、木々の葉の上の霜がとけて、しずくとなって落ちてくる。パラパラと音がして、まるで雨が降り始めたようになる。

鳥たちは、もう活発に活動をはじめていて、にぎやかな声が聴こえる。モズは田んぼわきの木の枝から、するどい視線で何かを狙っている。Mozu20090117

今日は比較的早起きしたので、沢山歩ける。林の奥の道、谷奥の道で、じっと、何か鳥などがやってくるのを待つのもよい。ゆっくりゆっくり、道端のいろんなものを見ながらあるくのもよい。たっぷり時間はある。そうして、自然の中にとけこむ時間。これがやっぱり好きだ。だからやめられない。

今年も沢山あるこう。今年もシーズンがスタートしたのだ。

Ana20090117 遺跡のような土手の穴。今年は、ここから何がでてくるのか見届けたいと思う。もう一歩深く、自然を感じたいと思う。自然の中をあるく。自然とともに私は歩く。

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