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2008年10月23日 (木)

エビフライがおしえてくれること

散歩道のある場所に、一本の松の木がある。そこは毎日多くの人が通る場所だが、おそらく多くの人はこの松の存在にさえ気付いていないと思う。私は毎回ここを通るたびに探すものがある。それはエビフライとよばれているものだ。Ebi2008101801

といっても、これはマツボックリを動物が食べた痕跡である。マツボックリを食べる動物は沢山いるが、この食痕について、いろんな人にきいてみたが、どうやらリス(ニホンリス)の可能性が高いようだ。

私は5年ほど前に一度だけ、散歩道でニホンリスに遭遇したことがある。とある道でバッタリと出会い、急いでカメラを構えようとして、足を滑らせて転んだ。そこはかなりの急斜面であったから私は斜面を滑り落ちた。同時にリスは見失ってしまった。

Ebi2008101802 かつて松が沢山生えていた急斜面の下あたりに住んでいる人の証言では、かつてはよくリスを目撃したという。ところが、松がだんだんと枯れ始め、すっかり減ってしまった。それと時を同じくしてリスは姿を見せなくなったという。

その話しをきいて短絡的に思うことは、松が減った=リスの餌が減った=リスが減った、という公式であるかもしれない。だが、私はちょっと違うことを思っている。

リスはマツボックリしか食べないわけではない。ドングリだって食べるだろう。コナラやクヌギのドングリならば、それはもう地面をドングリで敷き詰めたようになるくらいに豊富にある。だから、松が減っても餌には困らない筈である。

私がこの地に来た15年ほど前の記憶をたぐりよせてみれば、その、松が沢山生えていた急斜面は、かつては、ほとんど木が生えてない禿山に近い状態のところが沢山あったように記憶している。松の木もそれほど高く育ってはいなかったと思う。そこがだんだんといろんな木や草に覆われて、深い森のようになっていくと同時に、松が枯れていったような記憶がある。松はもともと土地の痩せた急斜面のような場所に生えるのではないのか?そこが次第に緑に覆われていき、土壌もかわっていき、松の生育には不適になっていったのではないか。そして、木々が繁り、松は追い払われていったのではないか。かつて、松が沢山生えていた頃は、それほど木々も繁っていなかったので、リスが木の間を移動するのが比較的よく見えた。だが、だんだんと木々が生い茂り、見えなくなっていったということではないかと私は思っている。そんなことなら、ちゃんと記録にとっておけばよかったと、いまさらながら思う。

少なくとも、今でも、数少ない松の木の下では、毎回、必ず真新しいマツボックリのエビフライがあるので、リスは今でもこの松の木にやってきているはずだ。私はその姿をいつかカメラにおさめようと思う。人々が誰も知らずに通り過ぎる松の木に、誰もしらないリスがいる。とてもワクワクする。

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2008年10月14日 (火)

それでもやっぱり散歩すると発見がある

気付いてみれば、前回のこのブログ更新から1ヶ月以上あいてしまった。こんなに書かなかったことはいままでなかったのではないか?8月から継続してきた忙しさ、9月はそれが一気に爆発した。それでも、この1ヶ月間で、6回は散歩道に出かけているのだけれど、天候不順であったわけでもないのに、私としては少ない。その間、ぼーっと、何も考えずに歩くことが多かった。もともとこれが私の散歩のしかた。自然に溶け込むように、自然のペースにあわせて五感で自然を感じながらあるく。そうすると、自然が静かに語りかけてくる。

季節はすっかり秋になった。今年はやはりまだツマグロヒョウモンが飛んでいる。Tsumaguro20081012

去年までも、見かけることはあったのだが、こんなにごく普通に見られるのは今年が初めてだ。温暖化の影響といってしまえば簡単。しかし、チョウがそこにすみついて繁殖を繰り返すためには、食草も必要だし、それなりの条件が必要なはずであろう。

Boro20081012 道端には、今年はダンドボロギクが目立つ。ダンドボロギクは、タンポポよりも繊細でおおきな綿毛で種子を飛ばすことができるから、草刈りをされたり、木が切られたりして、空き地ができると、すぐに入ってくる。山火事などの後には、こいつがいきなりはびこることがあるらしい。花らしい花が咲かないうちに綿毛になるから、本当に、種子を飛ばすことにエネルギーのほとんどをついやしているのだろう。そうやって勢力を拡大しているのだ。草丈も1メートル以上になり、なかなか手ごわい雑草だ。こいつは南アメリカ原産の帰化植物。

今日は、足取りも快調だ。いつもより、遠くまで出かけて、近くの川のほとりを歩いた。そうすると、川の中にカイツブリが一羽泳いでいるのをみつけた。とりあえず、望遠レンズを向ける。時々潜ったり浮上したりしていた。

一度、比較的長く潜ったなと思ったら、何かをくわえて浮上してきた。Kaitsuburi2008101204

あれ?なんだろう?魚かな?コイ?フナ?などと最初は思った。しかし、望遠レンズをズームしてよくみると、なんとなんと、ニホンアカガエルだった。Kaitsuburi2008101202

これにはとても驚いた。カイツブリがカエルを食べるということも驚いたけれど、こんな川底にニホンアカガエルがいるとは!!これは凄い発見をしてしまった気分だ。ニホンアカガエルがどういう状態で川底にいたのか?それとも川の中を泳いでいたのか?とても気になる。

ニホンアカガエルはアマガエルのような手足の吸盤がなく、すらっとした長い指をしている。だから、コンクリートの壁を登れない。それは確かである。そのため、田んぼの水路がコンクリート水路になると溺れて死ぬといわれている。だが、実は、私自身、水路で溺れ死んだニホンアカガエルというのをほとんど見たことがない。それより、水路で溺れて死んだアマガエルは沢山見た。アマガエルが沢山登場するころは、田植えが終わり、農薬が撒かれる時期であるから、農薬にやられたんだろう、と思っている。だが、そんな状態で、アマガエルとアカガエルが同居している状態でも、アカガエルは水路で死んで浮かんでいるようなことがほとんどない。たまに死体を見かけるが、それはどこかしら外傷がある。

確かにこの川の上流は沢山の田んぼの水路に繋がっている。だから、このアカガエルも田んぼの水路から延々と流されてきたのかもしれない。けれど、カイツブリはそいつを潜って捕ったのだ。田んぼの水路の水深が深いところで、時々、底を泳ぐアカガエルを見たことがあったから、彼らは意外と泳ぎは上手なのかもしれない。外見の先入観や、普段の動きからは想像できない姿がありそうな気がした。ただ、このアカガエルがここを泳いでいたとして、どうやって上陸するのか?は、謎だ。もしかしたら、このまま流されて、溺れる運命だったのかもしれないし、すでに溺れかけていたのかもしれない。あるいは、どこかで上陸するポイントをみつけて脱出するのかもしれない。謎は深まる。

それにしても、散歩はするもんだなあ。こんな発見があるのだから。

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