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2008年8月10日 (日)

ヒグラシの鳴く季節

この季節になると、夕方に散歩するのが好きだ。夕方といっても、まだまだガンガンに暑い午後3時頃から出かけて、薄暗くなってくる頃に戻ってくるのがいい。アブラゼミやニイニイゼミが大合唱する夏の日差しの中を汗をたらしながら歩き、日が傾きかけて、太陽光線が少しオレンジ色がかってくるころ、あたりから、次第にヒグラシの声が響いてくる。この自然の中の時間の流れに身をまかせるのがいい。

ヒグラシの声はとても美しい。声だけではなく、姿も美しいのだ。薄茶色の地に、薄緑色のライン。透明な翅。まわりの光を全て吸い込んでいるかのような、宝石のような複眼。Higurashi2008081002

子供の頃、ヒグラシは憧れのセミだった。私の生まれ育った広島県尾道市あたりでは、平野部にはヒグラシはほとんどいないのだ。山間部には沢山いるのだけれど。同じように、ミンミンゼミもあこがれのセミ。これも広島県あたりでは平野部ではあまり見ることがないセミなのだ。そのかわりに、クマゼミがもっともポピュラーなセミだった。大きな体のこいつはいくらでも捕ることが出来た。

ヒグラシは声はきこえても、なかなか姿を見ることが出来ないので、それもまた憧れを感じさせたものだ。

私が初めてヒグラシを捕まえたのは、中学一年生の時だったと思う。どうやって捕まえたのか、今ではあまりよく覚えていないが、図鑑で見たのではわからなかった、微妙な色のうす緑のライン、わずかに水色がかっているそのラインの美しさに感動したものだ。Higurashi2008081003

ヒグラシの声もとても美しい。今日、ヒグラシの声を録音してきた。ここをクリックすると聴こえると思う。夏の夕方、この声をきくと、暑い暑い昼間の疲れが癒される。また、清々しい夏の明け方にこの声にかこまれて歩くのもまたよい。

そして、今日、そのヒグラシの大合唱に囲まれて歩いていたら、羽化したばかりのヒグラシがいた。Higurashi2008081001

あれ?夕方なのにどうしてだろう?

普通、セミは夕方暗くなる頃に土から出てきて、暗い間に羽化して、昼間の太陽が照り付けてくると飛べるようになっているものなのだが。今日は曇っていたこともあり、時間感覚が狂ってしまったのだろうか?でも、おかげで、羽化したての美しい姿を見ることが出来た。ありがたいことだ。どうか、天敵に襲われませんように。

このヒグラシはオスだ。やがて、あの美しい大合唱の一員となることだろう。

長い長いセミの一生の、短い夏を、美しく力いっぱい歌ってくれ。ヒグラシの季節は短い。セミたちにとっても短い季節。私も、その時間を大切にしたいと私はいつも思う。セミたちが、一生の最後の晴れ舞台に力いっぱい鳴くのだ。私はその力強く美しい命の歌に囲まれて、命あふれる夏を力いっぱい感じて歩きたい。

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2008年8月 9日 (土)

この夏のツマグロヒョウモン

今日、散歩に出掛けたら、いきなりツマグロヒョウモンが目の前を飛んだ。Tsumaguro2008080901

もともと南方系のチョウであり、平成3年発行の手元の図鑑では分布は中部地方以西となっており、夏から秋に移動するとの記述があった。

とくに珍しいチョウというわけではないが、私自身は散歩道でこのチョウをみるのは年に1度あるかないかくらいであった。だから、チャンスを逃すまいと思い、一生懸命追いかけて写真を撮った。

だが、その後、そんなに一生懸命追いかけて撮る必要はなかったと気付いた。

散歩道のある場所には踏みつけそうになるくらいに、沢山いたのだ。これはたいそう驚いた。私がいままで気付かなかっただけだろうか?いや、そんなことはないと思う。散歩道の生き物の写真を撮り続けてもう6年近くになろうとしているが、その間、このチョウを撮ったのは数えるほどしかないのだ。

Tsumaguro2008080902 それが、こんなに沢山いる。これだと、まるでモンシロチョウの写真を撮るがごとく、簡単に取れてしまう。アゲハチョウの写真を撮る方が難しいくらいである。

実は、今年は7月頃から何度かツマグロヒョウモンを目撃はしていたのだが、それは偶然のことだろうと思っていた。

見ると、上手く羽化出来ずに、翅が延びきっていないものもいた。翅に問題のあるチョウはそう遠くへは飛べない。だから、おそらくここで羽化したのだろうと思っていた。

ツマグロヒョウモンの食草はスミレ類なので、食草には事欠かないであろう。ただ、もともと、もう少し南に分布していたものが、分布を拡大してきたということなのだろうと思ってはいた。

Tsumaguro20080903 このあたりに生息するチョウとしては、先日のオオムラサキと並び、圧倒的に美しいチョウである。このチョウが散歩道で優雅に飛ぶのを見て、いままでの夏になかった光景だと思うのと同時に、いろんなことを考える。それは温暖化の影響かもしれないけれど、よくわからない。少しずつ自然が変化してきて、いままでみられなかった風景が見られるようになるということ。時の流れの中でそれがいつのまにか当たり前の風景にかわり、かつての風景はどうだったか思い出せなくなっていく。

この夏にこれだけ沢山のツマグロヒョウモンを見て、私はたいそう驚いた。そのことをずっと覚えていよう。何年か、何十年かたって、それがどうかわってきたのか?それをずっと見つめたいと思う。Tsumaguro2008080904

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