買ってはいけないカブトムシ
先日、ある人からカブトムシのいる場所を知らないだろうか?ときかれた。なんでも、息子さんが「カブトムシが欲しい」というのだそうだ。が、「欲しい」のはいいけれど、「買いたい」というらしい。友達は「買ってもらった」という。で、父親としては「そんなもの買うもんじゃない!つかまえるもんだ!」といって探しているのだけれど、みつからない。どこかいる場所を知らないだろうか?という。
「ああ、そんなもん、うちの近所ならいくらでもいるよ」と教えてあげた。実際、先日も近所の知り合いが「庭に飛んできた」といって、うちの子供たちがもらってきて、今、家で飼っている。まあ、もらってこなくても、探せばいくらでもいる。自宅から駅に向かって歩いていてもしょっちゅう死骸が落ちているのをみかける。
教えてあげた直後、その人はカブトムシを探しに、うちの近くまでやってきたが、その時は結局、見つけられずに帰った。でも、諦めきれず、次の週末も朝早く起きて探したところ、立派なオスを一匹つかまえて大満足して帰ったそうだ。
うちは男の子がいないのでよく知らないのだが、最近は「ムシキング」とかの影響でカブトムシがブームだそうだ。この人のように「昆虫採集」に出かける人も増えているのかもしれない。父親としては、かつて自分が子供の頃やったように昆虫採集して子供たちに見せてやりたいと思うだろう。
しかし、ふと見渡せば、まわりには昆虫がいそうな場所も少なくなっていて、かつて自分が探し回った山も跡形もなくなっているかもしれない。その時、現実に気付くかどうか、そこが問題だ。デパートなどにいけばカブトムシは売っている。しかも、最近は日本産のものだけでなく、外国産の珍しいのも沢山売っている。これは私たちが子供の頃は考えられなかったことだ。かつて生きた昆虫は輸入できなかったからだ。だからといって、便利な世の中になったものだと思うだろうか?外国産の立派なカブトムシを買ってくるような大人は何の疑問ももたないのだろうか?そこが問題だ。
買ってきた外国産カブトムシを処分に困って、どこかに捨てる。昆虫に限らず、最近、ペットなども捨てることがあり、カミツキガメなど、危険な動物を捨てたものが問題にもなっている。この事態にもしあなたが「命を粗末にする」ということだけを問題にするとしたら、間違っている。むしろ、捨てるなら「殺してからにしろ」といいたい。もともとそこにすんでいなかった生き物を「生きたまま」捨てるということが、いかに生態系に影響を与えることになるか、その恐ろしさを知れば、別に一匹の命などどうってことはない。それでも「命を粗末にしてはいけない」と思うならば、そもそも、そんな生き物を買ってこないことだ。あなたの一匹だけではなく、生息している場所でどれだけ酷いことが行われているかを考えてみて欲しい。業者は子供の昆虫採集のように歩いて探し回るような面倒なことはしない。それこそ、木ごと根こそぎ持っていってその中にいる昆虫を探すということが行われている。あなたが「買う」ことは、そういう自然破壊行為に加担していることになる。しかも、それを「生きたまま」逃がすことは、さらに自然を破壊する。逃がした外国産カブトムシが勢力を増せば、もともといた国産カブトムシが絶滅に追いやられることにもなりかねない。これは、カブトムシに限らず、植物や爬虫類、哺乳類などなど、実際にそういう現実に直面している生き物は沢山ある。そのことに気付いて欲しいものだ。
デパートで珍しい外国産のカブトムシを買ってくることは、二重にも三重にも「カブトムシをつかまえる」という行為を絶滅に追いやる行為に他ならない。
羽が白っぽくなっているのは、どうしてだろう?自然の中のカブトムシは個性もある。
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